2019/02/21
SPRING 2019 MEN'S BUSINESS STYLE "FIZZY SESSION"
バーニーズ ニューヨークが2019年春のメンズビジネススタイルに掲げたテーマは"フィジー セッション"。華やかなカクテルのようなカラーをキーカラーに据え、英国調とミックスしたカラーコントラストのあるスタイルをご提案いたします。素材はシルク混やリネン、シアサッカーなど、涼感や素材感に富むものをフィーチャー。最新のトレンドを巧く取り入れ、ビジネススタイルを新鮮にアップグレードするための秘訣を、バーニーズ ニューヨークのメンズビジネスチーム バイヤー亀谷恵介が語ります。
ハイコントラストな色合せで表現する「英国調」がモダンの鍵様式美に則ったドレスクロージングの世界では、トレンドの大きな転換がない反面、ちょっとした違いが新鮮味を左右します。ですからこれを察知し、日々のビジネススタイルへ採り入れることが、モチベーションの向上や周囲からの好印象へとつながります。
では、今シーズンのトレンドはどこを向いていて、何を採り入れるべきなのでしょうか? バーニーズ ニューヨークの亀谷は、まず注目すべきは「色」であると言います。
「"フィジー セッション"をテーマに掲げた今シーズンは、リキュールベースのカクテルのような、透明感のある爽やかな色をキーカラーとして提案しています。コルコバード(ティールブルー)、レモンフィズ、ピンクレディといったカクテルから連想されるような色ですね。タイだけでなくドレスシャツにも色が充実しているのが今年らしく、これらを採り入れることで、華やかで清潔感のある、新鮮なビジネススタイルが装えます。
そして、もう一つ重要なトレンド要素となるのが、色と色のコントラストです。ブリティッシュという大きな流れは今シーズンも変わらないのですが、スリーピーススーツやチェック柄といったわかりやすい英国から一歩踏み込んで、スタイリング全体で表現する英国というのが新鮮さの要。その決め手が、コントラストなんですね。
よくイタリアの色合せはグラデーション、英国はコントラストといわれますが、たとえば、ブルーのシャツに反対色のレモンイエローのタイを合わせるとぐっと英国らしさが増します。華やかな色だけでなく、シャツの"白場"を利用してコントラストを出すのも有用です」。
脱・定番の「カラーウール」がビジネスの装いを新鮮にアップデート
さらに今シーズンは、王道のウールスーツの"色"も新鮮味を左右する。
「ビジネススーツとなるとネイビーやグレーが基本色となりますが、今シーズンはウールスーツでも、ネイビーより一段浅いブルーやブラウン、ベージュといった『カラーウール』のものが目新しい。
ブルーのスーツは、程よい華やかさがありながらも清潔感が出せるのが魅力。ネイビースーツと同様の感覚でコーディネートを作りあげることができるのでどなたでも取り入れやすく、ぜひチャレンジしていただきたいですね。
また、ブラウンはあまりに土っぽい色だとカジュアルな印象が増してしまうことも。そこでバーニーズ ニューヨークではチャコールグレーに近いブラウンのスーツをご用意しています。黒靴にも合わせられる、いわば都会的なブラウンカラーです」。
ニュアンス豊かな素材がこなれたスタイルのポイントになる
トレンドを上手に取り入れる上で、色とともに注目したいのが素材。リネンやシアサッカーなど、素材感豊かなものが今の気分だと亀谷は続けます。
「シアサッカーというと白地にブルーのストライプが走るものが典型的ですが、今シーズンはネイビー地のそれであったり、より主張を控えた、無地感覚で取り入れられるものが新鮮に映ります。ポロシャツにも合いますし、夏のクールビズスタイルを品よく装いたい人におすすめしたいですね。
また、シルクがブレンドされたウール素材も多く、これらは軽やかな印象かつドレープがエレガントに現れるのが魅力です。
リネンのジャケットやシャツも重要な存在です。華やかな色もリネンとなると印象が和らぎ、馴染みやすくなるメリットも。着るだけで季節感を出すことができるのも、これらの魅力です」。
1コーデ3色まで。この法則に則れば華やかな色合せも容易です
トレンド攻略の仕上げに、亀谷は「柄のポケットチーフ」の活用をすすめます。
「今シーズンのトレンドの鍵は"色"ですが、色を挿すのにポケットチーフほど手軽なものはありません。というのも、ポケットチーフはドレスアイテムの中で最も見える面積が少ないアイテム。ちょっと派手かな?と思っても挿してみると意外と目立たないものなんです。そしてチーフを挿すことで胸元にポイントがもう一つ生まれ、装いの華やかさはぐっと増す。あるとないとでは大違いです。
ただ、このとき気をつけたいのはコーディネート全体で使用する色数は3色までに抑えること(※白・黒・グレーは無彩色なのでカウントはしません)。逆にいうと、3色までに抑えさえすれば、華やかな色を組み合わせても視線が散らからず、スマートに装うことができます。
私も明日何を着よう?と色合せを考えているときが楽しいので、皆さまにもぜひ、毎日のカラーコーディネートを楽しんでいただけると嬉しいですね」。
六本木店 星野悠人
ブルー・イエロー・グリーンの
3色で表現する、やわらかな英国調スタイル
「ネイビーより一段浅いブルーのグレンチェックスーツに合わせたのは、レモンイエローのドレスシャツ。反対色のコーディネートで、英国らしさのある鮮やかなコントラストを表現しました。タイは<アブラ>のフラワープリント柄を選んで、軽やかに。ちなみにフラワー柄の青や緑は、スーツの地色やオーバーペーンの色とリンクしていて、ここはセオリー通りの色合せです。また全体のやさしいトーンに合わせて、足下はブラウンのシューズを選んでいます」。



銀座本店 勝部太郎
"色柄を拾う"セオリーに則れば
黄色のジャケットもシックに着こなせる
「トレンドカラーのイエローを基調としたジャケットを主役にした、華やかさのあるスタイルです。チェック柄に青と茶のオーバーペーンが入っているので、色合せのセオリーに則り、ドレスシャツとタイで同色を拾いました。強いコントラストに今シーズンの気分である英国らしさが漂いますが、散漫な印象にならないのはセオリーに則ったおかげ。ジャケットの豊かな風合いに合わせてフレスコタイを選んでいるのも"調和"のポイントです」。



新宿店 加藤健太
ダークオリーブの落ち着いた色味が
ピンクの華やかな主張を引き立てる
「トレンドのカラーウールの中でもとりわけ新鮮な、オリーブの梳毛スーツをメインにしたスタイルです。珍しい色味ですがグレーがかったダークトーンのため、印象はシック。相性のいいピンクのタイを合わせつつ、他を控えめな色にし、ピンクの華やかな印象を際立たせています。なお、ドレスシャツはオリーブやピンクと相性のいいグレーを選び、橋渡しにしました。茶のコンビネーションシューズが映えるのも、オリーブカラーの落ち着きがあってこそですね」。



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STAFF'S PROFILE
メンズビジネスチーム バイヤー
亀谷恵介
大学卒業後、バーニーズ ジャパンへ入社。銀座本店にてファニシング・スーツフロアのセールスアソシエイトとして経験を積み、ドレスクロージングの世界に魅了され、2012年8月よりバイヤーの道へ。自分らしさを取り入れたスーツの着こなしは秀逸。休日は育児に専念し、家族と過ごす時間を楽しんでいる。