
SUIT UP AT BARNEYS Vol.05時代の変化に対応する男のスーツスタイルとは?
JUN KANENAKA / FUKUOKA STORE
ビジネスにおいて時代の変化に敏感なことは、次の展開や施策を考える上でとても重要なこと。
もちろんビジネススタイルも然り。装いによって時代の流れにきちんと対応できるビジネスエグゼクティブ
であることをパートナーに感じさせることができれば、交渉ごともいつも以上にスムーズに進むはずです。
そこで今回は、トレンドを取り入れながらもリアルなスタイル提案を得意とする福岡店の金中淳が、
スーツでさりげなく時代感を取り入れるためのポイントを解説いたします。
ビジネスにおいて時代の変化に敏感なことは、次の展開や施策を考える上でとても重要なこと。もちろんビジネススタイルも然り。装いによって時代の流れにきちんと対応できるビジネスエグゼクティブであることをパートナーに感じさせることができれば、交渉ごともいつも以上にスムーズに進むはずです。
そこで今回は、トレンドを取り入れながらもリアルなスタイル提案を得意とする福岡店の金中淳が、スーツでさりげなく時代感を取り入れるためのポイントを解説いたします。
“変化の激しい今の時代が
求めるのは、柔軟性”

あらゆる時代の変化に対応できる"柔軟性"を、相対したビジネスパートナーに感じていただけるというメリットがあります。たしかに過度な主張や個性は必要ではないかもしれません。しかし常に変化する時代の中で、さまざまな分野のトレンドを取り入れることのできる柔軟な姿勢をファッションからも相手に印象付けることができます。これはビジネスエグゼクティブにとって、大きなプラスになると思います。
お客様は、シンプルなものをベーシックに着こなす方が多いのですが、ワンポイントでトレンドを取り入れたいとご相談いただくこともしばしば。私自身もお客様のニーズに合わせて柔軟にご提案するよう心掛けています。
トレンドを表現する
“ブリティッシュ”というキーワード

ビジネスエグゼクティブらしい洗練されたダークトーンカラーのスーツに、ほんのりと“ブリティッシュ(英国的)”の要素を加えることをおすすめします。ブリティッシュスタイルはスーツの本場である英国に戻るという、ある意味"原点回帰"の意味合いが込められています。メンズのドレスクロージングのトレンドは、シーズンごとのわかりやすい変化はあまりありませんが、このブリティッシュスタイルに関しては、ここ数年あまり見受けられなかった一大ムーブメントになりつつあるようです。
"原点回帰"というのは、大きな意味で"間違いのない着こなしへの回帰"とも解釈できるのではないでしょうか。もともと私自身のスタイルでもトラディショナルでベーシックなアイテムが好きなので、このジャンルをご提案するのは得意分野だと思っています。お客様にご提案させていただく際には、その方のニーズを第一としながらも、ブリティッシュテイストに新鮮さを感じていただければ嬉しいです。 もちろん、トレンドを強く取り入れるのは礼節を求められるビジネスエグゼクティブの方々の目線にたてば厳しい面もあると思いますので、まずはシンプルな着こなしに少しずつ英国的な味付けを加えていくことから始めてみてはいかがでしょうか。

スタイルやディテール・柄によって英国的なムードを表現
今シーズンおすすめしたいのはスリーピーススーツです。スーツの発祥である英国を象徴するスリーピーススーツは、正統派で貫禄ある印象を与えますので、まさにビジネスエグゼクティブの方々にぴったりな一着だと思います。また、「ジャケットを脱いだ状態でもベストを着ているから、さまになる」との声を実際にお客様からいただく機会も多いですね。屋内と屋外で寒暖差が激しいこれからの季節に体温調節の面で重宝できるのも、スリーピーススーツのよさではないでしょうか。
ほかにも英国らしいジャケットの右ポケットの上に、もう一つ小振りのポケットをあしらったチェンジポケットと呼ばれるディテールがついたスーツも今シーズンのトレンドを表現していると思います。
ただ、私たちは本格的な英国仕立てのスーツとは異なり、イタリア目線でのブリティッシュを提案していることも重要なポイントです。肩パッドや芯地がしっかりと据えられた構築的なものではなく、あくまで軽やかで丸みのある仕立てのものを選ぶことで、モダンさも同時に表現することも心がけると、さらに洗練された印象に仕上がりますよ。

例えば、グレンチェックやウィンドウペイン、ヘリンボーンのような英国柄のスーツが、今シーズンらしいと言えます。「少し派手かな?」と思われる方は、同色系のトーンやダークトーンのものを選ぶことで派手さは薄れ、落ち着いた雰囲気のなかにさりげなくトレンド感を表現することができると思います。
柄以外でブリティッシュテイストを表現するならば、生地の表情にこだわってみるのはいかがでしょうか? 英国のカントリースタイル、つまり都市部ではなく郊外で狩猟などを行う際に英国紳士たちが好んで着たといわれている起毛感のある生地も人気になりつつあります。エグゼクティブの方は、イタリア製の生地によく見られる光沢のある風合いを求められる傾向が強いのですが、新鮮さを楽しんでいただく意味でも、起毛感のある生地にもぜひトライしていただきたいですね。
おすすめの英国的な
2つのスーツスタイル

おすすめの英国的な2つのスーツスタイル
スリーピーススーツに関しては、ベストも加わるため、全体が重たくなり過ぎないようなドレスシャツ・タイを合わせることを心掛けていただくことがポイントです。もちろん、ホワイトシャツにネイビータイというベーシックな着こなしでも十分かっこいいのですが、ベストによってVゾーンが狭くなる分、華やかな色柄のシャツ・タイを合わせても主張し過ぎることはありません。挿し色として深みのあるロイヤルパープルを加えるとより品格あるスタイルに仕上がります。普段取り入れないような色や柄の組合せにも挑戦しやすくなっていると思います。

チェックの柄やカラートーンなど、あくまでも"さりげなさ"が重要です。ビジネスの基本となるグレーやネイビーなどをベースにした、主張し過ぎないチェック柄のスーツを選ぶことがポイント。普段ストライプのスーツを選ばれる方にはこのさりげないチェック柄は、さほど抵抗なく取り入れられると思いますので、ぜひともチャレンジしていただきたいですね。コーディネートの主役となるスーツ自体に柄が入っている分、着こなしに関してはVゾーンをワントーンでまとめたり、シューズやベルト・バッグなどのレザーの色味を統一したりするなど、全体のバランスを図るのもよいでしょう。
過度にブリティッシュを主張する
のは避けたほうがベター

がっちりと袖山を盛り上げた構築的なショルダーラインのスーツや、重厚感のある生地・柄を選ばないことです。それぞれのディテールは「英国的」ではあるのですが、今のビジネスのシーンではどうしても硬く重すぎる印象に捉えられがちです。 重厚で格式張ったものではなく、軽くやわらかい着心地にほんのり「英国」を加えることが重要です。節度をわきまえ、さりげなく柔軟に流行を取り入れることこそビジネスエグゼクティブに相応しいスーツスタイルといえます。

柄に関しても、できる限り同系色や近い色のトーンでまとめてコーディネートすることをおすすめしています。あくまでビジネスエグゼクティブに足る装いというのを念頭においていただければ。例えば、こちらのコートはブラウンのタータンチェック柄の上にオレンジカラーでオーバーペインが描かれていますが、暖色系のトーンオントーンになっているため、さりげなくトレンド感を表現することができます。

こちらのスーツはベースはビジネススタイルの基本色であるグレー。その上にうっすらとしたボルドーのウィンドウペインというさりげない組合せになっています。遠目には無地に見えるのでシックな雰囲気もありますし、近づくとほんのりとトレンドを感じさせる。このバランスがビジネスエグゼクティブに求められるさじ加減なのではないでしょうか?

スリーピーススーツもチェック柄も、スーツ自体の存在感があるだけに、小物はセオリー通り色味を合わせることをおすすめいたします。このルールを逸脱してしまうと、全体的にまとまりのない雰囲気になってしまいます。
時代感を表現することも大切ですが、あくまでそれをさりげなくやってこそ、ビジネスエグゼクティブにふさわしい着こなしであると考えます。職場の雰囲気にマッチしながらもさりげなくトレンドをプラスして時代の流れをご自身のファッションで着こなす、そんなバランスを、皆様と一緒に考えながら一人ひとりに合ったスタイルをご提案します。

PROFILE

JUN KANENAKA金中淳
バーニーズ ニューヨーク福岡店
メンズグループ サブマネージャー
熊本県出身。2009年入社。福岡店での勤務は2013年から。"普通が一番"が信条。間違いのないベーシックなアイテムを主軸に据えたリアルな着こなしを得意とし、お客様が毎日のコーディネートが楽しくなる提案を心掛けている。休日は街を散策するなどゆっくりと過ごすのが楽しみ。
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