2017/08/17
NEW YORK STORY by KARL-EDWIN GUERRE
photos by Massimiliano Cervone
カール-エドウィン・ギアさんは、ニューヨークやヨーロッパで活躍するファッションウェブサイトの主催者。彼特有のおしゃれへの視線を、自身が撮影したストリートスナップとコメントで綴るブログ『Guerreisms(ギアイズムス)』 をスタートし、今では世界中のファッション男子の愛読サイトとなっています。雑誌『GQ』などへの寄稿や、スナップ写真の提供、そしてトレンドを先読みし、哲学を崩さずに日々のスタイルに取り入れる方法など、ロジカルなファッション論が評判に。そんなカールさんに、活躍の本拠地であるニューヨークやファッションについて語っていただきました。
photos by Massimiliano Cervone
─ニューヨークの街をどう思いますか?
ハイチからの移民だった両親の元、ニューヨークで生まれ育ちました。つまり生粋のニューヨーカーです。ハイチに5年ほどと、マイアミなどにも少し住んだけれど、自分の希望でニューヨークに戻ってきました。ニューヨークはいつも私のホームタウン。こんなにエッジィな街は他にはありません!エネルギー、そしてすべてが競争であることも、ニューヨークはそれだけで一つの世界だと思います。ニューヨークで起こるすべてのクリエイティブなことや物を楽しんでいます。
photos by Massimiliano Cervone
─ストリートスナップを撮る立場でありながら、逆に被写体になることも多いカールさん。自身のスタイルについてどう思いますか?
私のスタイルを一言で言うならば、「ヒップホップスタイルがウォールストリートファッションに進化した」ものです。若い頃は、オーバーサイズでバギーな、ニューヨークのヒップホップカルチャーに影響された着こなしでした。そして、大人になるにつれて、ビジネスマンとして恥ずかしくないスタイル、つまりダークスーツなどを選ぶようになりました。でも、ユニフォーム的なスーツは、自分自身ではないと気づいたのです。最近では、その二つのテイストを程よくミックスしたスタイルに落ち着いています。私自身は、「Casual Fly」と呼んでいるのですが、カジュアルでありながら、どんなミーティングにも飛んでいける着こなしが信条です。
photos by Massimiliano Cervone
─お気に入りのショッピングエリアはありますか?
最近はほとんどのアイテムをイタリアから直接買っています。ニューヨークでは、もっぱらトレンドウォッチング。バーニーズ ニューヨークなども定期的に覗いてインスピレーションを得ています。
─ニューヨークのお気に入りのエリアは?
ニューヨークの素晴らしいところは、探しているものがなんでもあること。イタリアンカルチャーに触れたいと思えば、リトルイタリーがあるし、その隣にはチャイナタウン。地下鉄に飛び乗ってハーレムに行くこともできるし、逆の方向に行けば、カリビアンの集まるエリアもある。この街ではその日のフィーリング次第で、様々な文化に触れることができます。つまり、どんな気分にもしっくりくる場所が絶対にあるのです。
photos by Massimiliano Cervone
─この秋のトレンドについて、または、取り入れてみたいと考えているスタイルはありますか?
ここ数シーズンはニットウェアに注目しています。たとえば、素敵なボタンダウンのシャツはビジネスエレガンスなニュアンスですが、ニットをコーディネートするとエフォートレスなクールさが加わります。この秋に注目すべきは、タートルネックやダブルブレステッドなどのデザインニット!<ミッソーニ>には、いつも気になるアイテムがあります。そして、イタリアのテーラー<シャマット>のブレザーは、最近のお気に入りの定番です。
─新プロジェクトやアイデアについて聞かせてください。
スペシャルプロジェクトとして、老舗の生地メーカー カノニコ社とのコラボレーションを準備中。自分が思うモダンとクラシックを融合した何かを作り出せればいいと思っています。素晴らしい生地生産者と、才能あるテーラーとともに仕事ができるということは、私にとってまさにdream come true!
photos by Massimiliano Cervone
photos by Massimiliano Cervone
スーツやシャツ、そういった毎日着るユニフォームのようなアイテムであっても、特別な素材や縫製の素晴らしさ、仕上げにコーディネートする小物次第で、自分らしさを無限に表現できるというのが私のおしゃれポリシーです。
─ブルックリンに家族とともに暮らすカールさん。ニューヨークでの週末の過ごし方を教えてください。
旅の多い仕事なので、ニューヨークにいるときは、できるだけ妻、そして二人の娘たちとクオリティの高い時間を過ごすことにしています。
photos by Massimiliano Cervone
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PROFILE
『Guerreisms』主催者
KARL-EDWIN GUERRE
大学在学中はビジネスマネージメントを学んでいたが、「しっくりこない」部分があり、ファッションに関する思いを綴ったブログをスタート。やがて、日々数千人が訪れる人気サイトとなり、自ら撮り下ろすストリートスナップも話題に。また自らも被写体として、世界各国のスナップ記事の常連となり知名度が高まる。現在は、カメラマン、ライター、そして「おしゃれはその人の生きざまを映す鏡」という哲学で、時代のファッションを語るご意見番としても活躍中。
https://www.guerreisms.com/
instagram: @guerreisms