2018/03/01
INTERNATIONAL WOMEN'S DAY:
女性スタッフたちが立ち上げた、ジェンダーのためのプロジェクト
1910年、国連により定められた3月8日のINTERNATIONAL WOMEN'S DAY(国際女性デー、以下IWD)。性差による差別のない社会を目指すバーニーズ ジャパンでは、昨年に引き続いてジェンダーに思いを馳せる特別な取組みを行う予定だ。プロジェクトチームを率いるファッションディレクターの鈴木春と有志のメンバーたちが、この特別な記念日とジェンダーについて思うこととは。
text: Ryoko Kuraishi
「女性たちの日頃の貢献に対して賛意を表明しよう」、そんな思いのもとに米国のバーニーズ ニューヨークが始めたIWDのキャンペーン。それを受け、バーニーズ ジャパンがジェンダーについて初めてのアクションを起こしたのは昨年の3月のことだった。2回目を迎える今年、プロジェクトの発起人である鈴木のもとには、ジェンダーフリー・ジェンダーイクオリティという意義に賛同する6人の女性が集まった。MD・PR・セールスプロモーションと、部署・立場に加えて年代も異なる7人が、IWDのさらなる周知を目指して新たなキャンペーンに取り組んでいる。
「今年のテーマは、PRESS FOR PROGRESS(前進するために)。昨年はジェンダーをテーマに掲げたアクションをバーニーズ ジャパンで起こしただけでも、やった意義があったと思いました。2回目となる今年は前回の反省を踏まえ、より多彩なライフスタイル、幅広い年代や立場、価値観を持つ女性たちの意見を生かしたいという思いがありました。そんなこともあり、社内で部門を超えた女性の分科会を立ち上げることにしたのです」(鈴木)
昨年のIWDのキャンペーンで、デザイナーやクリエイターなどのインフルエンサーにSNSでの発信を呼びかけたPRの山本有衣(アドバタイジング&PR リーダー)は、日本でのIWDの認知度が想像以上に低いことを痛感したという。
「『3月8日はIWD、ジェンダーについて考えよう』というSNSでの発信をお願いしましたが、外部の方はもちろん、そもそも社内ですら知られていないという状況でした。そうした反省を踏まえ、今回はまず、社内にいる400人強の女性スタッフへの周知を徹底しようということになったのです」(山本)
山本とともに社内での啓蒙活動を担うのが、バイヤーの中尾めぐみ(MDデパートメント アシスタントバイヤー)。本業であるジュエリーのバイイング業の傍ら、SNSのアカウントを持つ社員を洗い出し、IWDにまつわる投稿をリレー方式でつないでもらおうと奮闘している。
社内はもちろん、社外に向けての取組みも今年はさらにパワーアップする予定だ。
「3月3日から8日まで、来店されるお客さまが自由に撮影できるIWD専用のフォトブースを各店に設置する予定です。足を止めてもらえるようなビジュアルにするべく、社内のビジュアルディスプレイチームの女性社員と連携してバーニーズ ニューヨークらしい魅力的なデザインのフォトブースを考案中。フォトブースならお客様に楽しく、簡単にキャンペーンに参加していただけますので」(MDデパートメント チーフマネージャー 山口紀子)
ビジュアルディスプレイチーム 小野真紗貴・庄司あや香
「3月3日(土)はIWDを拡散するため、店内でミモザの花を配布します。ミモザはIWDのシンボル的な存在で、ヨーロッパでは3月8日にこの花を贈り合う習慣があるのだとか。IWDにまつわるストーリーと合わせてこの日の意義を広められたらいいですね。また、社員やお取引先の方々にSNSでの発信を促すため、オリジナルステッカーも製作中です。ステッカーなら写真映えもしますし投稿しやすいですから」(店舗運営デパートメント セールスプロモーションチーム 岩本麻衣子)
スタッフによるIWDステッカーデザイン
「3月の一定期間、店内のBGMをIWDと連動させる予定です。そのため、『前進する』というコンセプトにマッチするポジティブな曲を、社内の女性スタッフから募っています。バーニーズ ニューヨークの今シーズンのテーマが"FASHION AS MUSIC"ということもあり、店内の打ち出しや企画も音楽とリンクさせていきたいと思っています。また、"FOR ALL WOMEN"をテーマにしたメッセージ性の高いウィメンズアイテムを紹介するコーナーを展開するなど、女性たちを元気づけられるような試みを計画中。男性・女性を問わず、来店される方々のムードを音楽やビジュアルで盛り上げていきたいですね」(MDデパートメント バイヤー 福原菜津子)
仕事内容や年代の垣根を超え、ジェンダーの問題をポジティブに解決しようという志を持つ女性が集まった今回のプロジェクトチーム。ジェンダーの不平等や格差、将来への漠然とした不安、「空気を読む」という言葉の下に隠された不自由さを感じる中で、より生きやすい社会を築くためにできることをそれぞれが模索している。
「バーニーズ ニューヨークに転職して今年が一年目、入社直後に目にしたのが昨年公開されたIWDにまつわる鈴木の記事でした。偶然、自分も同じようなことを考えていた時期ということもあり、その内容が妙に心に残っていて。日本ではまだ、『女性はこうでなければならない』という価値観を押し付けられることが少なくありません。そうした社会にあって女性たちが何を考えているのか、それについてたくさんの人とコミュニケーションできる機会に恵まれるってとても素敵なことだと思ったのです。知ることは偏見や差別をなくす第一歩になりますから」(MDプランニングチーム リーダー 稲村彰子)
福原菜津子・岩本麻衣子・稲村彰子・山本有衣
「女性が社会でキャリアを積むことが当たり前になった現代、昔に比べれば確かに性差による差別は少なくなっていますが、その分、自分たちが意識していない、疑問にさえ感じない不自由さが存在するように思います。IWDをきっかけに、自分たちの身の回りにある不自由さに思いを巡らせてもらえたら」(山本)
「私は帰国子女で、一時期を米国で過ごしました。米国では誰かの発言がきっかけで、みんなで立ち上がろう、アクションを起こそうというムーブメントになることが多々あります。それはやがて大きなうねりとなり、時に社会を変えていくことだって。それに比べ、日本は『××デー』のような記念日が少ないですよね。社会に問題提起をする習慣が少ないように思います。私たちは政治と直接的には関係のない業種に属しているからこそ、社会的な投げかけにもエンターテインメント性を持たせ、楽しく発信することができます。LGBTQも働くママも、個々に抱えている問題や夢、ビジョンをみんなで認識して共有する、IWDがそんな機会になるといいですね」(中尾)
中尾めぐみ・山口紀子・鈴木春
昨年のアクションをきっかけに、ジェンダーフリー・ジェンダーイクオリティへの思いを馳せるようになったというメンバーも少なくない。
「世界的な"me too"ムーブメントの流れの中で思うのは、『女性は女性の敵であってはならない』ということ。今よりもセクハラや差別が蔓延していた時代を知っている私たち世代は、『そのくらい我慢したら』なんて思ってしまいがちですが、それを本人に投げて彼女たちの発言を潰してはいけないと思うのです。些細なことだと感じても、それを見なかった・知らなかったことにするのではなく、正していく時代なのですから」(山口)
「この道は、長く険しいと思う」と、鈴木はいう。
「世界的に見れば恵まれた環境にいる私たちがこういう声をあげても、『それは意味があるの?』と問われることがしばしばです。意味があるのかと問うことは、つまり、意味がないと感じる人が多いってことですから。そんな時、このプロジェクトに賛同してくれる仲間がこうして見つかったことを頼もしく感じています。誰かにボールを渡していけば、この活動は続いていく。それぞれのメンバーが得意分野で輝きながら、より多くの人の役に立つため、長くこの活動を引っ張っていってもらいたいと思います」(鈴木)
いつか、街ゆく人が黄色いミモザを見かけた時に『またこの季節がやってきた』と思ってもらえるくらい、社会に根付かせたい、と一同。
「私たちの現在は、そんな未来へのステップだと思っています」(中尾)
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INTERNATIONAL WOMEN'S DAY at BARNEYS NEW YORK
3月、バーニーズ ニューヨークでは、各店店頭にてお客様にINTERNATIONAL WOMEN'S DAY(国際女性デー)を知っていただくための企画をご用意しております。
バーニーズ ニューヨーク銀座本店 / 新宿店 / 六本木店 / 横浜店 / 神戸店 / 福岡店
3/1 THUR. -
SONGS TO CELEBRATE IWD
各店ウィメンズフロアのBGMがIWD仕様に。ショッピングの合間にさまざまなジャンルからセレクトした音楽へ耳を傾けてみてください。
3/3 SAT. -
FLOWER GIFT
当日13:00より、ご来店いただいたお客様に先着でミモザの花をプレゼントいたします。
※数量限定のためなくなり次第終了となります。予めご了承ください。
3/3 SAT. - 3/8 THUR.
SPECIAL PHOTO BOOTH
各店店内にバルーンを使用したIWDのフォトブースが出現。さらにフォトブースで撮影した画像をSNSに投稿していただいたお客様にはオリジナルステッカーもプレゼントいたします。
※ステッカーはなくなり次第終了となります。予めご了承ください。
好評開催中 - 3/25 SUN.
SELECTION FOR ALL WOMEN
年齢や体型を問わずすべての女性がファッションをお楽しみいただくためのドレスからランジェリー、アポセカリーまで6ブランドをセレクト。期間中のみご覧いただけるアイテムも登場いたします。
展開予定ブランド
A.MELIE(ドレス)
CHRISTY DAWN(ドレス)
MERLETTE(ドレス)
AROMATIC CASUCA(ランジェリー)
INTIME ORGANIQUE(アポセカリー)
INTIMERE(アポセカリー)
MASK BAR(アポセカリー)
※スケジュールは都合により変更となる場合がございます。予めご了承ください。