INTERVIEW: SHAINA MOTE | Designer Interview | WOMEN'S | BARNEYS NEW YORK

年末年始営業時間についてのお知らせ

新宿店:12/21(土)~12/29(日)・1/2(木)~1/4(土)は20:30まで営業。
横浜店:12/26(木)・12/28(土)は20:30まで営業。
銀座店:12/21(土)~12/30(月)・1/2(木)~1/4(土)は20:30まで営業。

*12/31(火)は全店通常営業(11:00~20:00)。
*新年1/1(水・祝)は全店休業。
BARNEYS NEW YORK logo
ホーム / WOMEN'S / INTERVIEW: SHAINA MOTE

INTERVIEW:
SHAINA MOTE

INTERVIEW: SHAINA MOTE

女性の個性を引き出すタイムレスなデザインで注目を集めるLAブランド<シャイナ モート>。サステイナブルでありながら、着る人を選ばないスタイリッシュなコレクションが、2019年春夏シーズンよりバーニーズ ニューヨークに登場しています。初披露を記念して来日したデザイナーのシャイナ・モート氏に、環境問題を取り巻く現状とデザインソースなどを聞きました。

ーまずブランドを始めたきっかけを教えていただけますか? 自分を表現する方法として、子どもの頃からファッションに興味がありました。10代の頃からヴィンテージショップでアルバイトをし、パターンメイキングを勉強したのも自然な流れですね。主に女性の体にフィットするカッティングを学びました。仕事としてキャリアをスタートしたのは、ファストファッションのバイヤーとして。でもそのお店では価格帯の安い、あまりいいとは言えない生地を買い付ける必要があったんです。今振り返ると、トレンドやスタイルを教えてくれたと感謝していますが、ファッションの世界で働くなら、もっとポジティブでインパクトのある仕事がしたいと思うようになって。それからは、日中はバイヤーとしてフルタイムで働き、帰ってきたら自宅で服を作る二足のわらじ生活に。作りたかったのは、トレンドを意識したものではなく、一年中着られるもの。そしてその価値があるもの。フレンチシーム、バイアスカットのスカートには、いい工場で織られた上質でファッショナブルな生地を使ったりしていました。その生活を続けていくうちに、自身のコレクションを始めてみようと思い立ったんです。

ーとてもハードな日々ですね。 確かにそうですね(笑)。20代の頃は服作りに生活を捧げたと言っても過言ではありません。でも若かったですしね。その後、<ロダルテ>や<3.1 フィリップ リム>を見出したファッションインキュベーター会社が、私のコレクションに目を留めてくれたんです。ランウェイショー開催を援助すると提案していただきました。それがファッションの世界への本当の意味でのエントリーだったと思います。その後は、<ドリス ヴァン ノッテン>などを買い付けているニューヨークのTOTOKAELOなど、限られたショップで販売を開始しました。

INTERVIEW: SHAINA MOTE

ーシャイナさんのデザイン哲学は? 世界はとてもスピードが速くて、私たちは自分たちを取り巻く環境にあまりにも無頓着すぎる。だから私は環境問題やサステイナビリティに注意を払う服作りをしたいと考えてきました。それは生地を作る過程だけではなく、デザインにおいても同じです。もちろん私が拠点としているLAで作られた生地を使う方が、輸送によって生じる二酸化炭素を排出しなくて済みますが、イタリアでも日本でも素晴らしい生地があればそれを使うようにしています。生地がどこで作られたかよりも、どのように作られたかを重視していますし、ベストなものを選びたい。それから、2019年春夏シーズンから自社工場での製作を開始しました。自社で生産を行うことで、従業員に適正な賃金を支払えますし、より上質な服を提供できるようになりました。バーニーズ ニューヨークで販売されるコレクションは、自社メイドとなる最初の服になります。まだ始まったばかりなので専門性の高い分野はアウトソーシングしていますが、徐々に自社でできる割合を増やしていければと考えています。

ー最近はサステイナビリティへの意識が高まっています。オーガニックコットンを使うことも当たり前になりつつありますが、一方で、服のデザインが追いついていない場合も多い。シャイナさんの服はモダンでシンプル、かつ着やすいけれど、女性に自信を与えてくれる存在でもありますよね。そのバランスを取ることの難しさはありますか? ええ、本当にチャレンジングなことだと思います。でも、皆がサステイナビリティに関心を持ってくれるのはとても素晴らしいこと。理想を言うならば、<ナイキ>のような大企業がサステイナブルの概念をリアルに落とし込んでくれたらものすごくインパクトがあるし、一気に進みますよね。私は<ゼロ マリア コルネホ>がとても好きで、デザイナーのマリア・コルネホさんを尊敬しているのですが、彼女はサステイナビリティの開拓者でありながら、とてもファッショナブルですよね。サステイナビリティはファッションとしてはつまらないと思われがちですが、マリアのように、二者の溝を埋めたいですね。

INTERVIEW: SHAINA MOTE

(左)<シャイナ モート>の2019年春夏シーズンコレクション (右)THE TIE DRESS

ーシャイナさんが提案する「着る人がデザイナーになる」というコンセプトは素敵ですね。着る側に余白を残すという点でも、自由を感じます。 私もそのコンセプトを気に入っています。余白を残すことで、着る女性にクリエイティブになってもらえると思うので。それに、"THE TIE DRESS"(写真上)に代表される、前でも後ろでも結べたり、何通りもの結び方があるドレスは、言ってみれば、「あなた次第」ということ。例えば、私は絵が描けないのですが、絵筆と絵の具を渡されたら、すごく面白い絵を描くかもしれない(笑)。なので私は服を通して、着る人自身が気づいていないクリエイティブの可能性を信じたいし、応援したいんだと思います。

ー"THE TIE DRESS"は2012年にブランドを開始して、初めてデザインしたアイテムですよね? ええ。まずシンプルなドレスを作りたかったんです。THE TIE DRESSは、作りはシンプルなのですが、紐を結ぶと構築的に見えるでしょう? そういうアイディアが好きだったんです。それに、デイドレスにもナイトドレスにもなる汎用性が現代女性に適していると思います。ドレープやツイストも入った、私のコレクションの土台となるドレスですね。

INTERVIEW: SHAINA MOTE

ー<シャイナ モート>にとって重要なことは何ですか? 私の服を着ることによって、女性たちを自由にしたい。エンパワーして自信をつけてもらいたい。それと、いま世界で起こっていることに決して口をつぐんでほしくない。その2点ですね。

ーその2つを実現することに困難は感じていますか? 正直に言うと、サステイナビリティにおいて創造的なヴィジョンを持っている人ばかりではないですし、私の服だってすべてを完璧にすることは不可能。でも私はチャレンジが大好きなので、楽しんでいます。生地に関していうと、バーニーズ ニューヨークで販売されている服は新しくヴィスコースとリネンを使っています。オーガニックコットンのポプリンは、およそ1,000の候補からベストを選びました。それを見つけるまで費やした時間といったら!(笑)。とにかくいい工場を見つけるべく、リサーチを重ねています。

INTERVIEW: SHAINA MOTE

ージョージア・オキーフの絵画やアイリーン・グレイが南仏に建てたヴィラなど、アートや建築からも影響を受けることが多いと思いますが、クリエイションのインスピレーション源は? アートや建築も好きですが、私が一番インスパイアされるのは、女性です。働いている女性、ジョージア・オキーフやバーバラ・ヘップワースなど、職種は違えども、強さとヴィジョン、パワーを持つ女性に惹かれます。アートでもジャーナリズムでも、表現をしている女性には常に刺激を受けますね。加えて、彼女たちの服装や着こなし、持ち物も非常に参考になります。旅先で見た景色もカラーパレットの参考にしたり、アーティストの彫刻からフォルムに刺激を受けたり、いろいろなことにインスパイアされます。2019年春夏シーズンは、アイリーン・グレイのヴィラ『E.1027』から、マンダリンやライトブルーの色彩をコレクションに反映させています。

ー初となるショップがLAにオープンするそうですね。 そうなんです! 日本から戻ったら、内装のことなどやることがいっぱい(笑)。お客様とコミュニケートしたいので、そんなに広くはないんです。場所は、ハイランド・パークという、アップカミングなエリア。とてもクリエイティブな場所でたくさんのアーティストやデザイナーが住んでいます。東京でいうと中目黒のような感じかな? 今年の夏にプレオープンして、秋に本格的にオープンする予定です。今からとてもエキサイトしています。

INTERVIEW: SHAINA MOTE

ー最後に、バーニーズ ニューヨークのお客様へのメッセージをお願いします。 サステイナビリティが、ファッションを犠牲にすることは決してありません。エレガントで美しいものです。そして、私が作る服はタイムレスだと思っているので、長く着ていただけるはず。長い目で見ていい投資になると思います。年齢や体型は関係ない。さまざまなタイプの女性に着てもらえたら嬉しいです。

***

SHAINA MOTE

PROFILE

<シャイナ モート>デザイナー

SHAINA MOTE

ファストファッションのバイヤーという経験から、地球や環境に優しく、タイムレスな服作りを志す。2012年ブランドデビュー。使用する生地はもちろん、サステイナブルという視点で作られた服は、LAに拠点を置くブランドらしく、程よいリラックス感と女性らしさが魅力。また、アートや建築にも造詣が深く、しばしばコレクションのインスピレーション源になることも。旅好きでもあるため、日本滞在中は京都と箱根へのショートトリップも満喫。