INTERVIEW: MARIA CORNEJO OF ZERO MARIA CORNEJO | Designer Interview | WOMEN'S | BARNEYS NEW YORK

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INTERVIEW:
MARIA CORNEJO OF ZERO MARIA CORNEJO

INTERVIEW: MARIA CORNEJO OF ZERO MARIA CORNEJO

"DESIGNED FOR WOMEN BY WOMEN"というキーワードを掲げ、女性にやさしく寄り添う服を作り続ける<ゼロ マリア コルネホ>。現在では当たり前となった「サステイナブル」という概念をいち早く取り入れ、着心地のよさやシルエットの美しさにこだわったブランドが、今年誕生20周年を迎えました。バーニーズ ニューヨーク六本木店で行われたイベントのために来日したデザイナーのマリア・コルネホ氏に、20年の軌跡と今後の目標について伺いました。

INTERVIEW: MARIA CORNEJO OF ZERO MARIA CORNEJO

ー「サステイナブル」という発想のもと洋服を作ることにおいて、マリアさんはパイオニアですが、現状についてはどう思いますか?
20年前は誰も取り組んでいませんでしたが、今はトレンドになっていますよね。当時、世界中で仕事をしてきて、たくさんの無駄を見てきました。そこで気づいたんです。大量生産ではなく、少ない生産量でハンドメイドなものこそ贅沢であるということに。そしてその方が無駄も減る。20年前と比べて、地球はさらに深刻な状態になっています。だから、環境にやさしいことは非常に重要。私のコレクションにはリサイクルカシミヤも使っていますが、最近はシーズン毎にサステイナブルな生地を増やしています。コレクションの核となる生地はすべてそうです。私たちがお客様に見せたいのは、環境に配慮していても美しいということ。ボタンが5つ付いていなくてもジッパーやパッチがなくても、それでも面白いジャケットは作れるんです。それが私の考える「ラグジュアリー」。皆さんが思い描くサステイナブルってベージュ一色でしょう? それだとつまらないですよね。もっと頭を使って創造的にならなくてはと思います。また、今ではコレクションの85%をNYで作っています。その点も幸運ですね。地元で生地を生産し使うことで、輸送の無駄を省けますから。

ー85%とは驚きの数字ですね。実現するのは難しいのでは?
でもご存知のように、私が働くNYという街は、生地が集まる地域もありますし、靴以外は20ブロック以内ですべて手に入ります。それってとても贅沢なこと。イタリアへ行くには飛行機が必要ですが、ブリーカーストリートからミッドタウンへ行くには地下鉄に乗れば済むことですし、二酸化炭素の排出も少ない。

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ー<ゼロ マリア コルネホ>の魅力は、すべての女性にとって肩の力を抜いて着られるという点もあります。
多分それは私に子どもがいることと、米国で会社をスタートしたことが大きいかもしれません。私がジャージー素材でブランドを始めた時、周りのママたちはみんなジーンズをはいて、とてもカジュアルな格好だったんです。私もカジュアルで気楽だけど面白い服を作りたかった。今はみんなアスレジャーに夢中ですが、私にとってラグジュアリーとは毎日着てリラックスした気分になれるもの。サイズは関係ありません。人はみんな違う姿形をしているのですから、ウエストがない服なら、ベルトを腰に巻いて自分だけの形を作ればいい。

ー着る人に自信も与えてくれますね。
ハグのようにね。女性たちが自信を持つと同時に、自分自身であると感じてくれたら嬉しいです。私たちは自分が不十分だと言われ続けて生きています。でも、私たちは十分だし、美しい。サイズも年齢も異なるけれど、それぞれ心地よく感じてほしい。そして、お客様に感謝しなくてはなりませんね。<ゼロ マリア コルネホ>の服を買い続けてくれましたし、次から次へとお友達を紹介してくれました。素敵なエピソードがあるのですが、先日会ったとあるお客様がホワイトハウスに招かれた時、私の服を着ていたミシェル・オバマ大統領夫人(当時)から、「私もそのドレスを持っているわ」と声をかけられたんですって。敬愛する女性たちをサポートできるのを光栄に思いますし、彼女たちの活動の一部に加えてもらった気になります。私たちのお客様にアーティストのシンディ・シャーマンさんがいるのですが、彼女にルックブックのモデルになってもらった際、どのぐらい私たちの服を持っているの? と聞いたんです。そうしたら、200着って! ご存知の通り、彼女は偉大な女性アーティストでもあるので、本当に驚いてしまって。彼女は「でもマリアも、あなたの世界ではアーティストだと思っている」とも言ってくれたんです。とっても素敵でしょう。だから、私たちとお客様とはお互い素晴らしい関係を築いていると感じていますね。

ー女性デザイナーであることは強みだと思いますか?
思います。このドレスでランチに行ける? 背が高く見える? そんなことを考えながらデザインしています。あと、多様性も魅力かもしれません。例えば、サイズ0のお客様がいらっしゃるのですが、オーバーサイズで着たい時はサイズ6を買われます。洋服をどのように着たいか、それによって選べるようにサイズ展開を豊富にしています。私たちの服を着る女性の大半は、コーディネートについて考える時間がない多忙な女性たちなので、着るだけで完結する服というのも支持される理由かもしれません。仕事で忙しいから効率的に自分をよく見せたい。さらに心地よくいたいですしね。女性にとっては、以前にも増して大変な時代になってきていると感じます。ジムに通い、子どもを学校へ送り、部屋の掃除をして......全部をやらなくてはいけない。女性たちはスーパーウーマンを求められているから、本当にハード。だからお互いをサポートし合うことが重要です。だってどの国でもエネルギーを与えることができるのは女性なのですから。でも興味深いことに、私の娘や詩人のクリオ・ウェイドなど若い世代はすでにお互い協力し合っているんです。私たちの世代は働くことに精一杯だというのに。だから若い世代とたくさん触れ合うのは素敵なことですよ。一番避けたいのは一つの世代や性別にとどまってしまうこと。ミックスが大事です。

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ー今回バーニーズ ニューヨークのために作った限定アイテムについてお聞かせください。
反射テープ付きのレインコートを作りました。スイスのショーラー社というテキスタイル会社があるのですが、ここは高機能素材に定評があり、<ナイキ>にも提供しています。サステイナブルかつ高機能素材でユニークなシェイプを作ったら面白いんじゃないかしら? と考えたのが今回のコートです。そのほかにももう一着コートを制作しています。コットンを生産するには綿花の栽培などで大量の水を必要とするので、すべてがサステイナブルという訳ではないのですが、一方でほとんどの生地はリサイクルの糸を使っています。

ー最後に、マリアさんの将来のヴィジョンを教えてください。
店舗を増やしたいですし、サステイナビリティはつまらないものではないというメッセージも広げたい。服を着るだけで快適で、なりたい自分になれる、そんな服を作っていきたいですね。服って世界に出て行く時の鎧みたいなものでしょう? ならば、女性たちには自分の体に直接触れるものは重要ということに気づいてほしいですね。その生地からさまざまな経験や事柄が体の中に吸収・蓄積されるんですから、自分にとっていいと感じるものだけを身につけてほしい。地球、私たち、感情、すべてが繋がっているんです。分けては考えられません。あと、私は生地オタクなので、未来が楽しみで仕方ありません。テクノロジーの開発は日々進んでいますからね。環境にやさしいのはコットンのTシャツだけではない、イヴニングドレスにだってなり得るんです。

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MARIA CORNEJO

PROFILE

<ゼロ マリア コルネホ>デザイナー

MARIA CORNEJO

チリ生まれ英国育ち。ロンドン・パリ・ミラノ・東京・香港などで働き、<ジョゼフ><ジグソー>などのコンサルタントを経験。1998年NY ノリータに夫で写真家であるマーク・ボスウィック氏とともにアトリエ兼ショップ「ZERO」をオープン。一男一女の母であり、娘のビビ・コルネホ・ボスウィック氏は写真家としてルックブック撮影にも携わる。20周年を記念し、『Maria Cornejo: Zero』(Rizzoli刊)を上梓。