INTERVIEW: MALCOLM BETTS | Designer Interview | WOMEN'S | BARNEYS NEW YORK

年末年始営業時間についてのお知らせ

新宿店:12/21(土)~12/29(日)・1/2(木)~1/4(土)は20:30まで営業。
横浜店:12/26(木)・12/28(土)は20:30まで営業。
銀座店:12/21(土)~12/30(月)・1/2(木)~1/4(土)は20:30まで営業。

*12/31(火)は全店通常営業(11:00~20:00)。
*新年1/1(水・祝)は全店休業。
BARNEYS NEW YORK logo
ホーム / WOMEN'S / INTERVIEW: MALCOLM BETTS
INTERVIEW: MALCOLM BETTS

INTERVIEW: MALCOLM BETTS

日本では、バーニーズ ニューヨークでのみ取扱いのある<マルコム ベッツ>は、プラチナとゴールドを組み合わせたブライダルコレクションや、ダイヤモンドなど貴石の魅力を最大限に活かしたリングやバングルで人気のジュエリーブランド。毎年秋にバーニーズ ニューヨークで行われるパーソナルアピアランスには、多くのお客様が訪れます。今年も、イベントに合わせて英国から来日したデザイナー本人に、ハンドメイドにこだわったジュエリーへの想い、バーニーズ ニューヨークとの16年間におよぶ関係について聞きました。

 

―すべてハンドメイド、それもハンマーで叩いて成形するという手間のかかる工程にこだわってジュエリーを制作する理由を教えてください。
私のジュエリーは、おもに「ハンマリング」という金属をハンマーで叩いて成形していく伝統的な技法によって作られています。たとえば、多くの方に親しまれている私のブライダルコレクションは、ゴールド×プラチナというように異素材を組み合わせたものですが、硬さも強さも違うこれら二つの素材は、重ねて、ハンマーで叩いていくことで、継ぎ目なく一体化させることができます。異素材を組み合わせることは、私のジュエリーの特徴のひとつですが、その制作工程で大きな役割を果たしているハンマリングは、金属の表面に、他にはない豊かな表情を与え、世界でひとつのビスポーク・ジュエリーを作り出すのです。異素材を結合させるときに最も重要なことは、溶けはじめる温度こそ違う二つの金属が、ある一定の温度のもとで溶け合い、融合する瞬間を見逃さないこと。温度の変化を的確に捉えながら、その"瞬間"に耳を澄まし、ハンマーで一気に仕上げていくんです。集中力と根気のいる作業ですが、すべては素材の声を聞くことから始まると言えるかもしれません。

―石の声も聞こえるのですか?
石は、金属よりもっとユニークですよ。たとえば、新作のブラックダイヤモンドのブレスレットには、削り出されたままの研磨されていない石を選びました。ナチュラルなブラックダイヤモンドは、実に表情豊か。輝きに深みがあるだけでなく、内部に含有物が残っているものも見られるなど、ラフな部分も魅力のひとつです。研磨されていない分、リーズナブルに提供できるという利点もあります。こうしたナチュラルストーンを用いるときには、私はできるだけ、その石の形を活かしてデザインするようにしています。どの石の隣にどの石を配置するのか、色のグラデーションはどうか、ゴールドを合わせるのか、プラチナにするのか、さまざまな方向から観察して、最適なデザインを探るのです。スケッチはほとんどしません。すべて石から受け取るインスピレーションをもとに決めていきます。まさに、石と対話するイメージです。しかし、それだけでは優れたジュエリーは生まれません。インスピレーションと素材のよさ、そして技術、そのすべてがうまく合わさってこそ、すばらしい作品が生まれます。伝統的な技術を使いながらも、新しい何かが生まれるときというのは、どんな分野であっても、こうしたベストなコンビネーションが存在するのではないでしょうか。私は、そうした瞬間に耳を澄ますことを大事にしています。

―石は、どのように選んでいるのですか?
<マルコム ベッツ>にしかないものを追求しつづけているので、石のセレクトには特にこだわっています。とはいえ、こればかりは出会いがすべて。欲しいと思った時に、欲しい石に出会えるわけではないので、いいストーンの情報が入れば、その都度こまめに見に行くようにしています。加工する前の自然の石には、それぞれに強いパワーを感じますが、目の前にあるものの中で「これ!」というものはすぐに分かるものです。ここでもまた、石と対話しているのだと思います。ストーンと私の間には、常にコミュニケーションがあるのです。

―ヴィンテージストーンを取り入れたコレクションも充実していますね。
約200年前のアンティークのダイヤモンドは、現代のダイヤモンドとは、まったく違うものです。当時のカッティングは、当然のことながらすべて手作業で行われていたので、ハンドカットならではの繊細な輝きをもっています。反対に、ブリリアントカットをほどこしたモダンダイヤモンドは、シャープな輝きが美しい。ヴィンテージとモダン、それぞれの表情を比べながら選ぶのもいいと思います。ヴィンテージのカラーストーンもすばらしいですよ。100年ほど前のルビーやサファイアは、やさしい輝きを放っています。私はこうして、古い石とモダンな素材、伝統の技術を融合させることによって、予想もしなかったハーモニーが生まれることを楽しんでいます。この日本という国も、古いものと新しいものを融合させ、ハーモニーを生み出してきた国だと思います。特にバーニーズ ニューヨークのお客様は、洗練されていることはもちろん、ユニークでパーソナルなものを求めていらっしゃいます。だからこそ、私のジュエリーも受け入れられるのでしょう。嬉しいことです。

―パーソナルなジュエリーとして受けとめられていることをどう思っていますか?
楽しんでいますよ。特にマリッジリングやエンゲージリングは、お客様のお祝いの瞬間や楽しい時間に寄り添えるもの。ジュエリーを通して、お客様それぞれのパーソナルな事柄に立ち会えることをとても嬉しく思っています。ロンドンのノッティングヒルにあるショップ&ギャラリーの地下には、私の工房がありますが、オーダーのときにはお客様をこちらにご案内します。男性一人でまずはエンゲージリングを作りに来て、その後半年くらい経つと、今度はパートナーと二人でマリッジリングのオーダーをしにいらっしゃることが多いですね。顔が見えるお客様のために作り続けられること、自分にとってもお客様にとっても、パーソナルなものづくりができることを喜びに感じています。作業机に向かい、一つひとつこだわってコツコツと作り上げていくのが好きなので、大量生産には全く興味がありません。だからこそ、日本での取扱いはバーニーズ ニューヨークだけと決めています。

―過去16年間に渡り、毎年トランクショーを開催している日本のバーニーズ ニューヨークでの印象的なエピソードを教えてください。
あれは確か、2010年の10月でした。私のエンゲージリングとマリッジリングを購入したお客様が、偶然にもトランクショーの当日にバーニーズ ニューヨーク神戸店のすぐ隣のホテルで結婚式を挙げていたんです。お二人は正装とドレスのままショップに来てくれ、一緒に写真を撮りました。他にも毎年顔を見せてくれるお客様や、結婚後、誕生したばかりのベビーを連れてきてくれた方もいます。私は、日本でお会いしたすべてのお客様のことを覚えていますよ。

* * *