2017/11/16
WINTER 2017 MEN'S BUSINESS STYLE #4
今年のビジネススタイルでは英国調がトレンドですが、この時期はスーツやジャケットの上にコートを着用する機会も増えてきます。ではどんなコートを選べば、英国調のスタイルと相乗効果が上げられるか?バーニーズ ニューヨークがおすすめするコートとコーディネートのポイントをメンズビジネスチームのバイヤー亀谷恵介と、バーニーズ ニューヨーク神戸店のセリングスーパーバイザー山縣淳平の2名が語ります。
SUITS STYLE
LARDINI コート
LATORRE スーツ
ISAIA ドレスシャツ
CRUCIANI カーディガン
ABLA タイ
BARNEYS NEW YORK ベルト
/
ソックス
CROCKETT & JONES シューズ
山縣淳平(バーニーズ ニューヨーク神戸店セリングスーパーバイザー) 今回選んだのは南イタリア ロコロトンド発のファクトリーブランド<ラトッレ>のフランネルスーツです。正統派のデザイン、総裏の仕立て。肩パッドも薄く入り構築感があり、ビジネスマンに絶対的な安心感を与えてくれるモデルです。
亀谷恵介(メンズビジネスチーム バイヤー) ウエストの絞りも控えめ、あらゆる体型の人に着ていただけるようなスタンダードなスーツですね。生地はイタリア カノニコ社のフランネル。打ち込みの強いしっかりとしたフランネル生地で、イタリアのメーカーですが、英国を感じさせますね。
山縣 この<ラトッレ>のスーツに、ニットカーディガンをコーディネートしてみました。カーディガンは<クルチアーニ>の27ゲージの定番モデルです。
亀谷 スーツと同色系のハイゲージのカーディガンを選ぶことがポイントでしょうね。これは今シーズン、バーニーズ ニューヨークが打ち出しているベストとのレイヤードスタイルのアレンジと言えます。スーツにニットのカーディガンを合わせるだけで、スーツスタイルにソフトさを感じさせ、コーディネートの幅が広がると思います。ぜひ気軽にチャレンジしていただきたい組合せです。
山縣 ニットをレイヤードすると、Vゾーンが狭くなりますので、チェックのドレスシャツとジオメトリック柄のタイで華やかに仕上げました。キーとなるのはタイのボルドーの色。ドレスシャツは<イザイア>、タイは<アブラ>です。タイはトレンドのヴィンテージ調の柄です。
亀谷 チェックのドレスシャツと柄のタイの組合せは、スーツの着こなしとしては、カジュアルな味わいを持つものですが、今回はインナーにニットを組み合わせていますので、とてもマッチしていると思います。このようにそれぞれのアイテムのドレス度を合わせることもスーツスタイルではとても大事ですね。硬すぎない、きれいすぎない、肩の力が少し抜けている。そんな感覚に仕上がっていると思います。
山縣 仕上げのウールコートはダブルのチェスターフィールドコートを選びました。イタリアの<ラルディーニ>で、ダブルブレストのデザインとホームスパン調の素材が英国調を演出します。
亀谷 見た目は英国調ですが、仕立ては軽い仕立てで、生地も一見ツイード風ですが、ウールにカシミヤが入り、とてもソフトなタッチです。パッチポケットなので軽快さがあり、モダンに見えます。
山縣 シューズは<クロケット&ジョーンズ>のプレーントゥをコーディネートしました。このモデルはバーニーズ ニューヨークの別注で、ハーフライニング、つまり一部の裏地を省いたはき心地のやわらかい作りが特徴です。
亀谷 ニットを組み入れたスーツに合わせて、Vゾーンのドレス度を決めたように、シューズを外羽根にして、ドレス度を合わせているのですね。プレーントゥシューズでも外羽根ですと、少しカジュアルな雰囲気が薫りますから。このようにビジネススタイルでは、各アイテムのドレス度を合わせると、完成度がさらにアップする、という好例ですね。
BUYER'S POINT!
スーツにニットカーディガンを合わせる手法は、ソフトな印象を持つレイヤードスタイルです。コーディネートに溶け込ませるように、ニットの色のトーンを合わせることがポイントです。梳毛素材よりもフランネルなどの起毛しているスーツか、少なくとも表面感があるものがこのレイヤードに向いています。お手持ちの2ピースのスーツを今シーズンらしくアレンジする時には、ニットのカーディガンは有効なアイテムだと思います。
JACKET & PANTS STYLE
MACKINTOSH コート
PARTHENOPE ジャケット
CRUCIANI ニット
ZANELLA パンツ
BARNEYS NEW YORK ベルト
/
ソックス
CROCKETT & JONES ブーツ
山縣 カジュアルなジャケット+パンツのコーディネートで、今シーズン、おすすめしたいのはダッフルコートです。コートを着るスタイルでもブリティッシュを表現したいと思い、このコートを選びました。
亀谷 <マッキントッシュ>のダッフルコートですね。実は<マッキントッシュ>のダッフルコートにはシルエットが3つほどありましたが、現代的なアンコンジャケットに合うように、シャープなシルエットのモデルを選んでいます。絶妙なシルエットで、英国そのもののデザインながら全体がとてもスマートに見えるはずです。
山縣 スタイリングしたのはイタリア ナポリ発の<パルテノぺ>のジャケット。いかにもナポリの匂いがするジャケットですが、それを着こなしで英国調に仕上げてみました。
亀谷 ラペルが広くて、立体感が秀逸です。なで肩なショルダーラインはナポリを感じさせます。デニム風のブルーに今シーズンのトレンドであるテラコッタオレンジを含んだチェックの生地が印象的です。
山縣 ジャケットはナポリ風でしたので、全体的に足し算、つまり英国テイストを加えることが今年らしく仕上げることに繋がると考えました。そこで、インナーにタートルネックのニットを合わせて、品のよいカジュアルなジャケットスタイルに仕上げました。
亀谷 タートルネックニットはコーディネートの雰囲気をガラリと変えてしまうアイテムです。カジュアルな"ジャケパン"スタイルに有効です。
山縣 ニットの色はマスタードイエローをセレクトしました。ドレスシャツやタイでこの色を使うことは主張が強すぎることもあるのですが、ニットならば発色はやわらかくなるので、取り入れやすいと思います。
亀谷 これは<クルチアーニ>の製品染めのニットで、27ゲージの定番ですね。ネック部分だけゲージを切り替えてあるので、首元にアクセントを与えてくれます。
山縣 パンツはイタリアの<ザネッラ>で、"ギャレイ"というモデルです。スリムテーパードのシルエットで、日本人にも合うようにシルエットを考えられたモデルです。
亀谷 今のアンコンジャケットに合う、スリムなシルエットのパンツです。特徴としてはハイバック、つまりヒップ部分が深くなっていて、ベルトループの仕様も独特です。後股上の深い仕立て、ホームスパンの生地が英国的です。パンツのキャメルの色はジャケットのテラコッタオレンジやニットのイエローとも相性がよいと思います。
山縣 シューズはスエードのチャッカブーツを合わせています。素材の表面感をトップスと合わせる意味でスエードの素材をセレクト。<クロケット&ジョーンズ>の"イブシャム"です。
亀谷 全体を調和させながら、濃いブラウンのスエードで足元を引き締める、いいバランスのスタイリングですね。
BUYER'S POINT!
この時期のスタイルでは、見え方としてはどうしてもコートが占める割合が大きくなります。その中で華やかさを感じていただくには、Vゾーンに手を抜かないことが重要です。タイの色や柄の選び方に注意を払い、ニットなどを組み合わせる時でも、どんな色ならば胸元に華やかさが演出できるかと考えて、セレクトすべき。いつもより派手かなと思うくらいのVゾーンに仕上げてもよいのではないでしょうか。迷ったら、ぜひスタッフにご相談ください。
バーニーズ ニューヨーク神戸店
住所: 兵庫県神戸市中央区京町25番地
営業時間: 11:00〜20:00
https://www.barneys.co.jp/stores/kobe/