
SUIT UP AT BARNEYS Vol.01新生<バーニーズ ニューヨーク>のオリジナルスーツ
FALL 2018 CALLING ALL BUSINESSMEN
日本の職人が誇る優れた仕立て技術をもって
完成する<バーニーズ ニューヨーク>の
オリジナルスーツ。
クラシックスタイルを軽やかに仕上げた"マディソン"と、よりシャープなシルエットの"マンハッタン"は、
2012年に誕生しました。
製作にあたり念頭に置いたのは、世界のどこへ行っても通用する「今のワールドスタンダード」。
そして誕生から6年、"マディソン"と"マンハッタン"は、そのコンセプトを踏襲しながら、
より幅広い体型にフィットするモダンなスーツへ生まれ変わります。
リニューアルに込めた想いを、
2人のキーパーソンに聞きました。

KOHEI TAKEHARA竹原宏平
MDデパートメント バーニーズ ニューヨークチーム バイヤー
2004年、バーニーズ ジャパンへ入社。販売やロジスティクスなど多彩な業務を経て、2017年よりバイヤーを務める。クラシック・デザイナーズ問わず多様なブランドのジャケットに袖を通した経験から、着心地のみでブランドを言い当てる特技をもつ。今回のリニューアルを先導した。

TAKUYA ERIKAKU江利角卓也
<キリンテーラーズ> テーラー
銀座の老舗、壹番館洋服店にてテーラーの修行を積む。退社した2004年に同期の上山善史氏とともに前身である<麒麟>を立ち上げ、2014年に<キリンテーラーズ>を設立。路面店を自由が丘に構えた。新生"マディソン"、"マンハッタン"のリニューアルに際しては、パターンを制作。

より多くのお客様にフィットするスーツを目指して
竹 原 おかげさまでご好評をいただき2012年から継続して修正を加えながら販売してきたのですが、6年の歳月のなかで、トレンドや設計の面で当時のアプローチから根本的なブラッシュアップを図りたい部分が出てきたんです。服装のカジュアル化が進み、スーツを着る理由が変化するなか、もう一度シンプルに"着たい!"と思っていただけるスーツを作ろうという想いを込めて、リニューアルに至りました。
竹 原 私たちは商品のご提案や販売はプロだと自負していますが、作るとなるとその道のプロの手が必要です。そこで、いろいろな方と相談して最もバーニーズ ニューヨークにフィットするパートナーとして、<キリンテーラーズ>の江利角さんのお名前が挙がったんですね。実際にお会いして話をすると私たちが望む"今"の感性を持った方だなという印象を受けたので、正式にオファーさせていただきました。お店にお邪魔してモダンな内装を見たとき、より確信に変わりました。
江利角 昨年の9月か10月でしたね。楽しく取り組ませていただきました。
竹 原 年齢も感性も近く、スムーズに仕事ができましたよね。あれが違う、これが違うと忌憚なく言い合えたのがよかったです。

竹 原 "マディソン"・"マンハッタン"ともに最小限の副資材からなる軽やかな着心地が好評でしたが、体型によっては副資材が軽すぎて表面にゆがみが出ることがあったんです。これを解消し、より多くの方にフィットするスーツを作りたかったので、まずここのブラッシュアップをリクエストしました。
江利角 "マディソン"・"マンハッタン"2つの異なるモデルのコンセプトに沿ってフィッテングの向上、デザインの明確な差別化を図りました。大きく修正したのは、前身頃の縦方向が長過ぎたり、肩の傾斜が強すぎたりした点。リニューアルに際しては、両モデルとも首周りのフィッテイングの向上と前身頃の幅を狭めました。ただし、フィットやサイズ感に影響が出ないよう、前を狭めた分、後ろ身頃に分量をとっています。横から見たときに、アームホールの位置が前方へ少しずれたイメージですね。

竹 原 胸が薄く、前肩の広い日本人体型により即したパターンになった、ということですよね。
江利角 はい。日本人に多い背中の丸い人にもハマりやすいと思いますよ。
竹 原 胸周りをすっきりさせたことで、見た目の印象もモダンになりましたね。
江利角 ほかにも全体のバランスを見ながらそれぞれのコンセプトにあった副資材を使用、"マンハッタン"の方はラペル幅を削って、ボタン位置のバランスを変え、よりすっきりさせるなど小さな変更を加えています。パンツも全体寸法は変えずに後ろ側の面積をわずかに広くしました。よりすっきり見せながら、動きやすさを向上させるのが狙いです。"マディソン"の方はウエストの大きい方もかっこよく着用いただけるようにパターンに細工をしています。


ストレスのない着心地を追求しながら、
エレガントに見せる
竹 原 これまでイタリアスーツの流れがずっと続いていたのですが、ここへ来て"ブリティッシュ"というのが時代の気分として出てきたんですね。これをどう表現するか?となったとき、やはり肩周りや胸周りのしつらえをもう少し構築的にさせたいと。微妙な差ではあるのですが、"マディソン"も"マンハッタン"も、そこは意識的にアップデートしました。動きやすさや着心地に影響しないよう、本当に微妙な差ですが。
江利角 両モデルとも極薄い肩パッドを入れている(から構築的に見える)のですが、肩前方の骨が出ている部分にパッドが当たるのを避けるため"後ろ身頃側にだけ"パッドを入れているんですね。1年後2年後に体に馴染むのではなく、試着したそのときからストレスがないスーツを目指しました。

江利角 もともと愛用してくださっていたお客様の期待を裏切ってはいけないという思いから、変えていい場所と変えてはいけない場所の線引きをどうするのか、非常に気を遣いました。サンプルも3回作り、細かな調整を重ねました。
竹 原 バーニーズ ニューヨークを信頼してくださるお客様の期待に恥じないもの作りをと、すべてに誠心誠意を込めました。これまでご愛用いただいていたお客様からは「新しいの、イイね!」と言っていただきたいですし、最初にも言いましたが、ビジネスウェア=スーツだけではなくなっているこの時代に、スーツが着たい!と思ってくださる方が一人でも二人でも増えたら嬉しいですね。

取材: 2018年7月某日、東京 自由が丘の「ザ キリンテーラーズ ショップ」にて
COLLECTION

BARNEYS NEW YORK: MADISON
- 誠実な印象を与える、普遍的なシルエット -
"マディソン"モデルが掲げるテーマは、"グローバルスタンダード"。肩や胸周りに程よい構築感をもたせた、昨今気分の英国テイストが滲むスーツです。もちろん、パターンの工夫や副資材の選定によって軽やかな着心地はキープ。シルエットは程よいウエストの絞りのドロップ7と中庸的で、幅広い体型にフィットします。ビジネススタイルに力強さや誠実さを求める方におすすめしたい、普遍的な魅力を備えたモデルです。2つボタンスーツのほか、ダブルブレステッド、スリーピースのスーツも展開いたします。
BARNEYS NEW YORK "MADISON" スーツ / ドレスシャツ / タイ / ポケットチーフ / ベルト / ソックス / シューズ

BARNEYS NEW YORK: MANHATTAN
- 艶っぽさがさらりと薫る、細身のシルエット -
ウエストとバストの差異をやや強調させたドロップ7.5の細身に絞られたシルエットを特徴とする"マンハッタン"モデルのテーマは、"ソフィスティケイテッド(洗練された)スタイル"。シャープなシルエットを好む、マンハッタンのオフィスワーカーをイメージしたスーツです。肩や胸周りは必要最小限の毛芯で、ごく軽やかに構築。ビジネスに通用する品格をキープしながら、艶っぽく仕上げました。ダブルブレステッドのスーツは、シャープな趣が際立つ間隔の狭いボタン配置も特徴。シングルの2つボタンスーツやスリーピーススーツも展開いたします。
BARNEYS NEW YORK "MANHATTAN" スーツ / ドレスシャツ / タイ / ベルト / ソックス / シューズ
STEFANOBIGI ポケットチーフ

BARNEYS NEW YORK: MANHATTAN
- 艶っぽさがさらりと薫る、細身のシルエット -
ウエストとバストの差異をやや強調させたドロップ7.5の細身に絞られたシルエットを特徴とする"マンハッタン"モデルのテーマは、"ソフィスティケイテッド(洗練された)スタイル"。シャープなシルエットを好む、マンハッタンのオフィスワーカーをイメージしたスーツです。肩や胸周りは必要最小限の毛芯で、ごく軽やかに構築。ビジネスに通用する品格をキープしながら、艶っぽく仕上げました。ダブルブレステッドのスーツは、シャープな趣が際立つ間隔の狭いボタン配置も特徴。シングルの2つボタンスーツやスリーピーススーツも展開いたします。
BARNEYS NEW YORK "MANHATTAN" スーツ / ドレスシャツ / タイ / ベルト / ソックス / シューズ
STEFANOBIGI ポケットチーフ
DETAIL

程よい構築感のある
ショルダー
肩前面には毛芯を用い、肩パッドを背面側にのみ入れることで、品格に直結する構築感とストレスのない着用感を両立。"マディソン"・"マンハッタン"とも従来より構築感が増しています。

フィット感のよい襟周り
リニューアルにおいては、日本人に多い、胸周りが華奢な方が着ても首の後ろが浮かないようパターンを制作しました。上襟の立ち上がり="のぼり"と呼ばれる箇所の美しいラインもポイントです。

内部のポケットも充実
内部は胸の左右にポケットを備えるほか、ペンポケットやコインポケットも装備。これまで同様、裏地には日本のクラシカルなビスポークテーラーが多用していたとされる、白い生地を使用しています。

ボタン間隔の狭い
ダブルブレスト
ダブルブレステッドスーツは左右のボタン間隔を狭くすることで、シャープなフォルムを強調。生地が重なる面積が少ない分、軽快感も増しています。初心者も着やすい、モダンなダブルです。

流麗なウエストシェイプ
ウエストシェイプは、"マディソン"がスタンダードなドロップ7。より細身の"マンハッタン"(写真)がドロップ7.5と強め。ともに流麗なフォルムを描き、モダンな印象を与えます。

動きやすい
パンツパターン
パンツは、従来のモデルより後ろ側の生地を広く取り、代わりに前側の生地を狭くしたパターンを採用。前からの見た目をすっきりさせるとともに、動きやすさを向上させました。