2016/04/21
WINDOW DISPLAY: SPRING & SUMMER 2016 SEASON VISUAL
"#SMILE"をテーマに制作した2016年春夏シーズンのシーズンヴィジュアルとスペシャルムービーをフィーチャーしたウィンドウディスプレイがバーニーズ ニューヨーク各店に登場。最新のコレクションをお届けする2種類のウィンドウを含め、デザインを手がけたクリエイティブディレクターの谷口が見どころをご紹介します。
まずご覧いただくのは、昨年も反響が大きかったシーズンヴィジュアルのムービーと連動したウィンドウ。ダンサーでもあるモデルのリダ・フォックスがキールックをまとい詩情豊かに踊る映像を数台のプロジェクターで映し出しています。ウィンドウ内に動きがあると、大勢の方が足を止めてじっくりと鑑賞します。映像が見やすいようにウィンドウを映画館のように狭くして、ムービーのシチュエーションにあわせて天井・壁・床をグレーで塗りました。マネキンが着ているのは、ムービーでも着用している<ザ ロウ>の今シーズンのコレクションルック。トップライトを服にだけ当てて際立たせています。また、ヴィジュアルディスプレイチームの伊藤がデザインした、タイポグラフィも重要な要素の1つ。さらに、銀座本店ではガラスを振動させて音を出すスピーカーを取り付け、道行く人に音楽が聞こえるようにしました。
次に、神戸店で展開している<ドリス ヴァン ノッテン>のウィンドウ。マリリン・モンローとサルバドール・ダリの架空の対話をテーマに二人の象徴的なアイコンを交差させた今シーズンのコレクション。モチーフの1つであるマリリン・モンローの顔のパーツを白バックにシルバーラメで描きました。本来マネキンの背景には照明を当てませんが、象徴的なモチーフなので今回は特別に光を当てて強調しています。同じウィンドウ内でも見せたいものの色に合わせて緻密に照明のトーンや強さを変えるので、さまざまな照明器具を揃えています。光の演出にまでこだわるのは「ウィンドウディスプレイこそバーニーズ ニューヨークの象徴だ」という想いが強いからです。
そして銀座本店のウィンドウには、日本ではバーニーズ ニューヨークでのみ展開している新鋭<ガブリエラ ハースト>が登場。先日来日したデザイナー本人もすごく喜んでくれました。木や石など自然のマテリアルを愛するデザイナーのプレゼンテーションとウィンドウをリンクさせ、ひねりを加えずシンプルでクリーンに洋服を見せました。あえて説明的に作り込まず、わかる人にだけわかるミニマムな構成こそが、スペシャリティストアならではの特色だと思っています。ウィンドウ内には、縦30×横90×厚み3センチメートルの大理石を20枚用意。スタッフがハンマーで砕く作業は、簡単に割れず音も出て大変でした。
一つひとつたくさんの想いを込めて作りあげるウィンドウディスプレイ。各店のウィンドウそれぞれにこだわりが詰まっています。シーズンヴィジュアルと連動したウィンドウは各店でご覧いただけますので、ぜひチェックしてください。
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STAFF'S PROFILE
クリエイティブディレクター
谷口勝彦
1990年バーニーズ ジャパン入社。米国バーニーズ ニューヨークにてサイモン・ドゥーナン(現クリエイティブ・アンバサダー・アット・ラージ)に師事。現在は、日本のバーニーズ ニューヨークのウィンドウからフロアディスプレイ全般、店舗デザイン、広告ヴィジュアルなどのストアイメージに関わるすべてを統轄している。