SPRING 2018 LOOKBOOK FASHION AS MUSIC STORIES 「表現するファッション」への回帰と、音楽からのアイデア | CULTURE | BARNEYS NEW YORK

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FASHION AS MUSIC STORIES #5

「表現するファッション」への回帰と、音楽からのアイデア

中箸充男鈴木春

中箸充男(以下、N) : この間ニューヨークに行った時、ジュエリーブランド<アン デクスター ジョーンズ>のウエストヴィレッジの自宅兼アトリエにお邪魔したんですが、面白い体験でした。ブルース・ブラザーズのサインギターや、ポール・マッカートニーが彼女のアクセサリーをつけている写真があったり。会うなりシャンパンをすすめてきて、とてもロックなフィーリングのデザイナーだと思ったら、彼女は、DJやアーティストとして活躍するマーク・ロンソン氏や、ファッションアイコンとして活躍するアナベル・デクスター・ジョーンズ氏の母親だったんですよね。

鈴木春(以下、S) : そう、私も素性を知らずにお会いしたら、全くそれ風には見えない方なのに、何かにつけセレブリティとの関わりのことが会話に出てくるので不思議に思って聞くと、本当に音楽一家。しかもその日がちょうどグラミー賞の発表で、息子のマーク氏がノミネートされている、ということで驚いたんです。彼女がリングファイルの中を示しながら、ブレスレットやネックレスなど1点ずつをいかにパーフェクトに仕上げたいかを切々と説明くださって。どんなセレブリティに対しても絶対にプレゼントしない、バーニーズ ニューヨークの店頭で買ってもらうというポリシーを徹底しているのも、こだわりがあってかっこよかった。

N : 音楽が嫌いな人って、あまりいないですよね。僕にとっても音楽はずっと身近なもので、カテゴリーを問わず聴きます。最初にメタリカなどスラッシュメタルから入ったので、その辺が一番好きですが、なるべく旬のものを聴くことが、時代の感性を吸収する上でも有用だと思います。

S : 私は自分で選曲してダウンロードしていては追いつかないので、ラジオ番組をアプリradiko.jpで流しっぱなし。会議の前や飛行機の搭乗中など、苦手なことに向き合う時はいつも音楽に助けられています。

N : 今シーズンの気分が“音楽”だというのは、すごく私も思っていたところで、ちょうど春さんからもそういう話があり、「FASHION AS MUSIC」というテーマになりました。スケートとかブラックカルチャーが今、全盛になっていて、それらがモードやクラシックスタイルなどとミックスされた最先端のトレンドが生まれています。ストリートの感覚は、常に音楽を聴いて、感じた気分によって着方や色づかいなどを自在に変えたりしていますが、トラディショナルな指向の方たちにも、そのフィーリングを取り入れていただけたらと思います。

S : メンズは今、リアルに音楽とファッションのディテールが結びついていますが、ウィメンズはまだ少し観念的。もっと感受性に訴えかけるものであってほしいですね。音楽を聴いたときに気持ちが高揚するとか癒されるという感じが、もっとファッションにあってほしい。いろいろな意味で人の内面にフォーカスがシフトし始めています。アドバンスドのクリエイティブなものを着ていればいいということではなく、それをミックスするのはなぜか、あえてこれを着ているのはなぜか。それは全て、身にまとっている人の意思ですよね。80年代がそうであったように、誰からどう見られたいかではなく、自分の考えや立ち位置を表現する時代が、また戻ってくると思うんです。

N : そうですね、ミュージックスピリットがファッションにどんどん取り入れられています。西海岸のオールドスクールなスケートスタイルがストリートの息吹を感じさせるスーサイダル テンデンシーズや、レディー・ガガ、カニエ・ウェストらのクリエイティブディレクターだったマシュー・ウィリアムス氏が手がける<アリックス>などは非常に特徴的で、着る側へ刺激的な空気感をもたらしていると思います。

S : 面白いなと思うのは、作り手側の意識も変化してきているということ。普通、デザイナーたちはシーズンごとのコレクションテーマを設定し、そのイメージボードをスタジオに掲げて制作しますが、<シエ マルヤン>のデザイナー、サンダー・ラック氏は、そういうことはしないと公言しているんです。直感で、思ったままやるというように言っていて、それを堂々と表明できるのは新しいなと思いますね。

N : まず、好きなアーティストのTシャツを着るとか、着こなしやブランド、アイテムやカラーを真似るレベルから今のコーディネートに取り入れてみるのも新鮮なはず。うんちくではなく、見た目の直感的な取り入れ方でいいと思うので、もっと皆さんにファッションを楽しんでほしいですね。

S : ファッションを味方につけてもらいたいですね。シャツやパンツなど自分が好きでヘビーローテーションしているアイテムこそ、旬なシルエットやファブリック、カラーに置き換えてみる。これを着ているから自信が持てるとか、着て機運を上げてみようという風に。私が音楽にずいぶん助けられているように。きっとファッションにもそういう力があると思うんです。

PROFILE

ウィメンズファッションディレクター

鈴木春

幼少よりインドで育つ。コミュニケーションの大切さを感じ、小売業への興味を抱き、1989年のバーニーズ ジャパン立ち上げ期よりプロジェクトに参加。ウィメンズアクセサリーバイヤーを経て、現在はウィメンズのバイヤーへのバイイングイメージや、新規リソースを開拓するファッションディレクターとして日々世界を奔走する。趣味は読書と海、プール。

PROFILE

メンズファッションディレクター

中箸充男

米国シカゴに留学中、バーニーズ ニューヨークの存在を知る。帰国後、バーニーズジャパンに入社。スーツフロア・ファニシングフロア・デザイナーズフロアのスタッフを経てバイヤーに。入荷即完売アイテムの数々を買い付けてきた、そのセレクト眼は伝説にもなっている。2017年より現職。