INTERNATIONAL
WOMEN'S DAY 2022
BREAK THE BIAS
FOR YOUR LIBERTY
自由になる勇気をもって、
私たちを縛りつける鎖を断ち切ろう
3月8日はINTERNATIONAL WOMEN'S DAY(国際女性デー)です。バーニーズ ニューヨークでは今年もこの日に賛同。2022年は常に前進を続ける女性たちへの想いを、私たちのルーツでもあるニューヨークの象徴 自由の女神に重ね合わせました。コラムニスト 山崎まどか氏による文章を添えたウィンドウディスプレイを中心とする今回の取組みをご紹介いたします。
INTERNATIONAL WOMEN'S DAY
ニューヨークで女性たちが婦人参政権を求め起こしたデモをきっかけに提唱された「女性の自由と平等のために戦う記念日」が起源となり、制定されたのがINTERNATIONAL WOMEN'S DAY(国際女性デー、以下IWD)です。バーニーズ ニューヨークではこの日の理念に賛同し、2017年よりさまざまな取組みを行っています。今年は各店にてIWDを表現したウィンドウディスプレイを展開いたします。
WINDOW DISPLAY
ニューヨークのシンボルでもある自由の女神の片足は鎖を引きちぎり、一歩踏み出した状態の像となっています。これはすべての弾圧や抑制からの解放、そして人類は平等であることを象徴していると言われ、自由への第一歩を踏み出そうとしている姿で長く愛されています。バーニーズ ニューヨークではこの姿にインスピレーションを得て、残った片足の鎖も引きちぎり、同志たちとともに理想の未来へと力強く歩きだした自由の女神をコンセプチュアルに表現したウィンドウディスプレイを制作しました。

引きちぎられた鎖だけが残るウィンドウには、コラムニスト 山崎まどか氏による自由の女神からのメッセージ。女子文化や米国のユースカルチャーに見識があり、幅広くコラムを手がけられている山崎氏に今回のコンセプトを伝え、自由の女神からのような表現として特別に執筆いただきました。古くから人々を見守り続けた存在として、現代の女性たちに力強く呼びかける言葉がウィンドウの表現をさらに際立たせています。 IWDのウィンドウディスプレイはバーニーズ ニューヨーク銀座本店・六本木店・横浜店・神戸店・福岡店・西武渋谷店にて3月14日(月)まで展開いたします。
BREAK THE BIAS
FOR YOUR LIBARTY
自由になる勇気をもって、
私たちを縛りつける鎖を断ち切ろう
1886年、ニューヨークのリバティ島のこの台座にすっくと立ったとき、私は自分を縛りつけていた鎖を引きちぎり、足元に捨てた。
それから幾度となく、私はこの街で、そして世界中で女性たちが自分を縛りつけてきたものを振り払い、切り離す音を聞いてきた。地表が割れる瞬間の地響きに似た雄大な音もあれば、歯で裁縫の糸を断ち切るときのようなささやかな音もあった。
アスファルトを貫いて花のつぼみが路上に現れるように。コルセットの最後の留め金を外すように。女性たちは深く息をして、自分の足で歩き、街に出てくる。彼女たちは行進する。あらゆる制約の解除と権利を求めて。向かい風に抗い、押し返し、見えない壁を突き破るために前に向かって腕を伸ばす。その腕で愛する人たちを抱きしめる。パンを捏ね、服を縫い、文章を書き、壁に絵を描き、難解な問題を解き、宇宙の神秘に触れ、ボールを遠くまで打ち返す。自分が望むあらゆるものを作る。腕を上げて、壇上で未来のビジョンを指し示す。私の松明のように、彼女たちが掲げるこの輝く炎があなたにも見えるはず。これが目印。さあ、ここに来て。私たちの仲間になって。今度はあなたが自由になる番だと遠い場所にメッセージを届けるために。そこから解き放たれて。ここに来て。ただあなたの自由をつかむために。
もうそこにあなたを束縛するものは何ひとつない。彼らが私たちを探しに来るとき、私たちはもうここにはいない。解かれた鎖の残骸を目にするだけ。勇気をもって自分を解放して。

PROFILE
コラムニスト
山崎まどか
15歳の時に帰国子女としての経験を綴った『ビバ! 私はメキシコの転校生』で文筆家としてデビュー。女子文化全般/米国のユース・カルチャーをテーマにさまざまな分野についてのコラムを執筆。著書に『真似のできない女たち』(ちくま文庫)『ランジェリー・イン・シネマ』(blueprint)『映画の感傷』(DU BOOKS)、共著に『ヤングアダルトU.S.A.』(DUブックス)、翻訳書に『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』(サリー・ルーニー著、早川書房)等。
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March 3rd, 2022
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