BARNEYS ACADEMY Vol. 1: more trees代表理事 坂本龍一が語る「森を考える。more treesの今までと、これから。」 | CULTURE | BARNEYS NEW YORK

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BARNEYS ACADEMY Vol. 1: more trees代表理事 坂本龍一が語る「森を考える。more treesの今までと、これから。」

BARNEYS ACADEMY Vol. 1: more trees代表理事 坂本龍一が語る「森を考える。more treesの今までと、これから。」

バーニーズ ニューヨークの新しいメンバーズプログラム<MY BARNEYS>。お客様へのサービスの一環として、ファッションやアートをはじめとするさまざまな分野の著名人を招いてBARNEYS ACADEMYを開催する。その第1回は、2007年に設立した森林保全団体more treesの代表理事を務めるミュージシャンの坂本龍一さんによるトークイベント。バーニーズ ニューヨークでも以前に日本ブランド<ボタニカ>とコラボレートしたmore treesチャリティアイテムなどを展開し、売上の一部を寄付するなどmore treesとは馴染みが深い。新宿店9Fを会場に、more treesを立ち上げた経緯から今後の展望まで、その活動について広く語っていただいた。

 

ミュージシャンとして世界的に活躍すると同時に、地雷や原発への危機意識を啓蒙し、森林保全のために声を上げるなど、社会活動の発信者としても広く認知されている坂本龍一さん。自身が住みはじめて23年目を迎えたニューヨークの自然についてから話がスタートした。
「ハドソン川とイーストリバーという大きな川に挟まれ、海からも近いニューヨークは、高いビルも多いですが割と自然が豊かなんですね。うちの狭い庭には10種類ぐらいの鳥も飛んできますし、あちこちにリスもいます。いつも鳥の鳴き声を聞いているので、"あれが来ているな"と鳴き声でわかるんですけど、たまに珍しい鳴き声がすると仕事の手を休めて見に行くんですね。それほど音が耳に馴染んでいるんで。あるとき聞き慣れない鳴き声がしたので見に行ったら、大きなワシがいて、うちに来ていた鳥を食べてるんですよ。僕もとても驚きましたし、なかなか想像しにくいかもしれないですけど、ニューヨークにはそういう一面もあるんですよ」

more trees 代表理事 坂本龍一

坂本さんがmore treesを立ち上げたきっかけは、原発に関するあるニュースだった。福島第四原発の使用済み核燃料を作業員が取り出し、青森県六ヶ所村まで輸送して再処理工場で分解するという作業が人力で行われることを知った彼は、その危険を多くの人々に知ってもらいたいと感じたのだという。2007年当時、まだ人々が積極的に原発や放射能について話す状況ではない中、50名ほどのデザイナーに声をかけ、「No Nukes, More Trees(原子力をなくし、もっと木を)」のメッセージTシャツを作ることにした。
「当時、原発にはあまりピンと来る人が多くなかったものの、"More Trees"に関しては誰が見ても"そうだよね"っていう反応がありました。じゃあ文字通りに実行ということで、再処理工場のある六ヶ所村のところに、木を植えに行こうとなったんですね。そうしたら、周りはものすごく水も緑も豊かで、木がたくさん生えていた。だから木を植える必要なんてなかった。中国や各地の熱帯雨林などがそうですけど、世界では1秒間にサッカー場ひとつ分ぐらいの森が失われてるわけですが、日本にはまだ森がたくさんある。国土の7割が森で、その割合でいうと先進国で2番目に多い。ところが話を聞いていくうちに、日本には大きな問題があることを知ることになったんです」
第2次大戦後、復興後の木材ブームを見越して、各地でスギやヒノキの植林が行われた。成長に60〜70年かかるそうした針葉樹。近年ちょうど伐採時期を迎えたのだが、海外からの多くの安い木材が輸入される現在、国内産は売れないために放置されている林が日本全国にある。森の健康を維持するために、間伐は欠かせない。森に日光が差し、若木が生長すると同時に森の多様な生物も健康に暮らす。そして、根が張り巡らされた山の土地には保水力が生まれ、水害の危険も減る。しかし、林業の従事者にお金も入らず、間伐を行う資金もないという悪循環が生まれているのだ。そこで立ち上げたのがmore treesだ。多くのデザイナーの参加のもと、間伐材でさまざまなアイテムを生産し、その売上金を森の維持の費用に充てるプランを実行している。現在、more treesのプロジェクトとして間伐を行っている森の数は国内で11(フィリピンで植林を行っているプロジェクトが1つあり、more treesのプロジェクトは計12)。高知県の中土佐町を皮切りに、北海道から九州までmore treesの森は点在する。

more trees 代表理事 坂本龍一

「東京生まれ東京育ちなので、もともと自然とは馴染みが薄いわけですが、いろいろと知るうちに森がどれだけ大切か、ということを強く感じるようになりました。これまではmore treesのプロジェクトを増やして、認知を高めることを目指してきました。これからしばらくは増やすのではなく、少数精鋭で各地との連携をより深めて、森の恵みにはたくさんのものが潜在していると思うので、いろいろな形で商品化していきたいですね」
トーク終了後には、参加者全員と記念の集合写真を撮影し、バーニーズ ジャパン代表取締役社長の上田谷真一の発声で乾杯も行われた。乾杯に用いられた枡をはじめ、生態系を維持するために駆除を余儀なくされた鹿の革を用いたコースターや、ヒノキアロマのハンドクリーンミストなどmore treesのアイテムがお土産として用意された。「2015年頭のリリースを目指して、来年はアルバム制作も行います」という言葉が来場者の大きな拍手を呼び、期待に包まれてイベントは締めくくられた。

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more trees 代表理事 坂本龍一