INTERVIEW: YUTAKA GOTO OF REMI RELIEF | Designer Interview | MEN'S | BARNEYS NEW YORK

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INTERVIEW: YUTAKA GOTO OF REMI RELIEF

INTERVIEW: YUTAKA GOTO OF REMI RELIEF

他にはないこだわりの加工が活きたデニムシャツやカットソー、ボトムスなど幅広いラインナップと、モダンなシルエットで店頭はもちろん、バーニーズ ニューヨークのスタッフからの人気も高い<レミレリーフ>。デザイナー後藤豊さん自らが望むものづくりのために自社工場を立ち上げ、素材や染料だけでなく加工をほどこす機器までも別注するというこだわりから生まれた美しい加工で着実にファンを増やしています。今回はデザイナー後藤豊さんに<レミレリーフ>が提案している世界観とこだわりの素材加工について聞きました。

 

―<レミレリーフ>を立ち上げたきっかけを教えて下さい。
以前は別のブランドで企画・生産をやっていたのですが、自分の好きな世界観を、自分の納得のいく形で作るために独立しました。また自分の望む素材の加工ができるのはヨーロッパでも米国でもなく日本だけだったので、日本に工場を作って納得のいくものを納得した形で扱ってもらえるようなブランドを立ち上げようと思ったのがきっかけです。

―ブランドを通してどのような世界観を提案していこうと思ったのですか?
もともと1960年代、1970年代のサンタモニカのドッグタウンなどの米国のカルチャーが好きでした。スケボーでもサーフィンでもいろんなカルチャーが生まれた時代です。そういう「発信した時代の米国」が好きだったんです。今はスケーターならこういう感じというファッションがあると思いますが、そのときの写真を見ると、スケボー用、サーフィン用としての服ではなく、ジーンズにTシャツなど、あくまでも普段着としてカジュアルな服を着ていたのがかっこよかったんです。カテゴライズされたファッションじゃない、あくまでも普段着としての服。その頃の米国の自然な感じが好きだったので、そんなテイストを中心にブランドに落とし込んで提案していきたいなと思いました。

―当時のテイストを感じられる、程よいダメージ加工が人気の理由ですね。
加工がナチュラルなんだと思います。人が着ていって色が落ちていくのと同じ原理で加工しているので、買った時の自然さに加えて、着ていってだんだん古着になっていくというのが、塩素を使って加工をしているものとは最終的に違う"顔"になるんだと思います。何年か経っても<レミレリーフ>のアイテムがかっこいいよね、と言ってもらえるような手法をしています。それに適した昔の染料も今はないので、染料から別注して全部一から作っています。加工法は自然のやり方から外れてもかっこよいとは思いません。アイテムごとに手法を変えて行くというのはありますが、新しい加工法を考えていくというより、実際に着ていて自然に進んで行くダメージや風合いを製品の時点でどこまでやるか試行錯誤しています。もう一つこだわっているのは素材。糸から作ってシーズンに合わせて加工をどこまでするかで、仕上がりを変えていっています。今の世の中にありふれたやり方だとコピーされることがあるのですが、今まで全く同じ加工は見たことがないです。機械も染料も別注なので真似できないんだと思いますね。

―なぜ日本に自社工場を構えたのですか?
1960年代の古着やヴィンテージの服を見るとみんなかっこいいと言うんですが、1990年代のものになるとあまり言わないですよね。古着として見たときにかっこいいという加工を、1990年代にはヨーロッパでも米国でも日本でもやっていなかったんです。かっこいい古着の加工法を探っていって行き着いたのが水素を使って自然に落とすという加工法。それをなかなか今の工場ではやっていなくて、自分で作るしかないと思い工場を作りました。工場はデニムの産地と言われる岡山県の児島にあるのですが、そこで染色をする釜も特注しました。ドラム型の洗濯機と同じで、釜の中のものが上下に動くことでダメージがついていくのですが、市販の釜は大き過ぎて自分の望む加工ができず、小さい釜では小さ過ぎたのでその中間のサイズの釜を別注して作りました。

―きれいなシルエットも人気の理由ですね。
古着そのものでは袖が真横についていたり、どこかもっさりしていると思う部分もあり、今着ていてかっこいいものになるようシルエットにはこだわっています。古着を通ってきた人もそうでない人にもかっこいいと思ってもらえるように、僕がかっこいいと思っていた"味"は残しながらも、自分自身が欲しいと思えるものを作っていければと思います。

―海外でも高い評価を得ているようですが。
海外では展示会でこれまで約15回出ています。最初はどういう評価をしてくれるのか軽い気持ちでニューヨークのカプセルという合同展示会に参加して、始まって5分くらいでフレッド シーガルのバイヤーがオーダーをつけてくれ、合計10社が取扱いを決めてくれました。本当は1回出て辞めようと思ったのですが、卸先がいくつも決まると辞められず続けている感じです(笑)。ニューヨークではデパートのサックスフィフスアベニューでも取扱いが決まり幅は広がっているのですが、ブランドが広く認知される喜びというよりは、米国のファッション業界の人たちと知り合い、新たな繋がりやクリエーションが生まれていくのはよかったと思っています。

―定番人気のアイテムや後藤さんおすすめのアイテムは?
定番としてデニムシャツのイメージがあると思うんですが、実はアイテムごとにバラバラで、Tシャツやスエットも人気が高いです。インディゴ系のジャカード生地のアイテムもなかなか他ではできないアイテムで、うちならではだと思います。今シーズンおすすめのアイテムのひとつがスエット。自然に破れているようなダメージ加工のスエットはあまりないと思います。さわってもらうとソフトな質感なんですが、水素を用いた加工を進行させて勝手に破れるようにしているので、一つ一つが違います。ダメージとリメイクの場所も一つ一つ違うので、お買い得なアイテムだと思います。海外でもスエットは人気が高いですね。シーズンによってカラーバリエーションを変えています。なかなか着るのが難しい白のスエットですが、うちの白は退色して行く過程での色。新品の白とは違った味のあるクリーンな白は抵抗なく着ていただけると思います。

―バーニーズ ニューヨークでは毎シーズンエクスクルーシヴアイテムが発表されていますね。今回のエクスクルーシヴアイテムであるシャツについて教えてください。
以前に行ったハワイでサーフィンの資料室に入れてもらったときに、そこに資料として置いてあったカーテンやラグがこのシャツのモチーフなんです。これはインディゴを6色に染め上げています。インディゴの染め方にはさまざまな手法があるんですが、シャツなのでデニムのように色落ちしないよう「チーズ染め」を用いています。グリーンとイエローのほうは「硫化染め」でこれもまた違う染め方ですが、風合いがあります。1960年代の米国ではよく行われていた染め方ですが、今の日本ではほとんど見ることのない染め方です。またインディゴにジャカード織りを入れるというのは難しいので嫌がられるのですが、それをあえてやりました(笑)。織り柄にインディゴを6色で染めてグラデーションを作っているので、これを何年か着込んでいくとまた違った表情になるのを楽しんでもらえればと思います。

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