NEW YORK STORY by HARUOMI HOSONO | CULTURE | BARNEYS NEW YORK

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NEW YORK STORY
by HARUOMI HOSONO

バーニーズ ニューヨーク六本木店のオープンに際し、関係者を招いて開かれたレセプションパーティーで、スペシャルパフォーマンスとして、細野晴臣氏のライブが行われた。1980年代にイエロー・マジック・オーケストラ(以下YMO)として手がけたテクノポップで世界に衝撃を与えるなど、多大な影響力を持つ伝説的存在である細野氏にライブ前に話を聞いた。
text: Ryohei Nakajima

「レコーディングというのは閉じこもって、自分の内側に入り込む作業だから、誰か人がいるとできないんですよ。でも、ライブっていうのは外に向かって表現するわけで、場所や人、体調によって演奏が変わるんです。それがライブのおもしろい部分ですね。お客さんの反応にも影響されますし、いろいろと感じながら演奏するのが楽しいんですよ」

リハーサルを終え、店頭で行うライブということで「いつもと違うシュールなシチュエーションを楽しんでいます」と笑う細野氏。各地でライブに参加し、長いキャリアで多様な音楽を発信してきたが、意外なことに、ニューヨークでのライブは、1980年代にYMOとして米国ツアーを行ったときだけしか実現していないのだという。

「YMOのときは物珍しさもあってか、みんな好奇の眼差しで見てくれたんですけど、米国ではテクノはあまり定着しませんでしたね。今もしチャンスがあれば、生のバンドでブギとかをやってみたらどうなんだろう、っていう興味があります。ニューヨークでもヴィレッジなどは観光化されてきたので、ブルックリンあたりでやってみたいですね」

「最近は歌うことが楽しいというか、声を出すことが気持ちいい」と語る細野氏だが、元々はベースなどの演奏家としてのイメージが強い。エイプリル・フール、はっぴいえんどという二つのバンドは日本の音楽シーンの先駆け的な存在として、ロック、ポップス史に大きな足跡を残した。そして、YMOではテクノポップというジャンルを生み出し、国際的に人気を集め影響力を持ったが、その時もやはり、音楽職人的なイメージをメンバーの坂本龍一氏、高橋幸宏氏と共有していたようだ。

「3人でYMOをやっていた時に影響されていたのは、ニューヨークのスタジオミュージシャンたちでした。普段は表に出てこない人たちですが、僕たちにとってはスターのようなミュージシャンが大勢いるのがニューヨークでした。それと、米国にはマッスル・ショールズ・リズム・セクションというバンドがあったのですが、彼らもお手本でしたね。例えばアレサ・フランクリンなどのバックで演奏をしていたのですが、歌の上手い方がいて、そのバッキングの演奏というのがおもしろい。演奏家を続けてきたのは、やはり歌手に対してとても強い憧れがあったからですよ」

YMOで一世を風靡し、やがて各地の民族音楽やアンビエントなど、多様な音楽と触れながら独自の道を歩んでいく。

「30代ぐらいというのは、一番物事が分かったような気になっちゃう年齢だと思うんですよ。僕も実際そうだった。あらゆる音楽をやって、知らない音楽はないんだ、という気でいました。ところが、それから現在まで30数年が経ちましたが、続けているとやはり、音楽には汲めども尽きない泉のような力があって、全く飽きないんですよ。やればやるほど発見がある。20世紀に生まれ、埋もれてしまっているいい音楽がたくさんあるので、その宝の山を考古学者のように掘り出していきたいですね。20世紀に構築された音楽のスタイル、ポップスの伝統みたいなものがあるから、それをとことん掘り下げた上で自分たちの創意工夫を積み重ねていけたら、伝統が未来に繋がっていくのではないでしょうか」

インタビューを終え、六本木店の2Fでライブが始まった。ジャズやR&Bなどの名曲の数々をリラックスした表情で歌う細野氏。かつて映画『モダン・タイムス』の音楽としてチャーリー・チャップリンが作曲し、細野氏のアルバム『HOSONOVA』にも収録された『スマイル』が歌われた時、細野氏が音楽から感じているポジティブなエネルギーが強く伝わってきた。

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PROFILE

音楽家

細野晴臣

1947年東京生まれ。1969年、エイプリル・フールでプロデビュー後、はっぴいえんど、ティン・パン・アレー、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)などを経て、現在に至る。11月2日にブルーノート東京で一夜限りのスペシャル公演を行い、12月12日から12月20日まで矢野顕子+TIN PANの『さとがえるコンサート2016』に参加予定。
http://www.hosonoharuomi.com/