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JEWELRY: PIPPA SMALL

デザイナーの信念を映し出す、美しきエシカル・ジュエリー

カナダで生まれ、英国で活躍するジュエリーデザイナー、ピパ・スモール。<グッチ>や<クロエ>などビッグメゾンとのコラボレーションで知られるピパだが、世界中を旅した経験から途上国や環境への意識も高く、エコロジー&フェアトレードの精神を反映させたものづくりの観点からも注目を集めている。ピパがジュエリーに込める思いとともに、各地の団体とのエシカルな取組みをご紹介する。
text by Ryoko Kuraishi

ロンドンに拠点を構え、20年以上も第一線で活躍しているジュエリーデザイナー、ピパ・スモール。天然石を大胆にあしらった、カラフルでノマディックなデザインは「グラマラスでボヘミアンなジュエリーの旗手」と称される彼女の真骨頂。その感性はトム・フォード、フィービー・ファイロ、クリスティーナ・キムらファッションデザイナーからも高く評価されており、ピパは彼らのコレクションのためのジュエリーも手がけている。ピパを有名にしたのは、研磨や加工に頼らず、天然石の造形をそのまま生かしてジュエリーに仕立てる独自の手法である。一つひとつ注意深く選ばれた天然石は、そのシェイプやカラーをもっとも引き立てるデザインやセッティングでネックレスやリング、イヤリングに生まれ変わる。

デザイナーとしての彼女の信念は、作品はすべてエシカルであると同時に、その作品に関わる職人たちにも還元されなければいけない、というもの。そんな信念があればこそ、彼女は世界で初めて「クリーン・ゴールド」、つまり環境に負荷を与えず採掘され、かつ鉱山労働者の権利や地元のコミュニティに配慮して生産されたゴールドをジュエリーに用いることができたのだ。
ピパはまた、各地に息づく伝統技能や天然石の産地の地域社会を守るため、先住民と積極的にコラボレートすることでも知られている。例えばパナマのクナ・インディアン、ルワンダのバトワ族、ボツワナのサンブッシュマンやケニヤのスラム街に暮らす人々、アフガニスタンのアルティザンやボリビアのアイマラ族の金細工職人など、その取組みは多岐にわたる。2008年にはこうした取組みが評価され、人権擁護団体「サバイバル・インターナショナル」のアンバサダーにも任命された。現在はケニヤに拠点を置くフェアトレード会社「メイド」や、アフガニスタンの伝統技能を守るため、ハンドクラフトのアイテムで雇用を生み出そうというNGO「ターコイズ・マウンテン・アーツ」らとともにジュエリー制作を通じた啓蒙活動を行っている。

ここでピパから彼女のプロジェクトのいくつかを紹介してもらおう。
「ボリビアでは鉱山にまつわるプロジェクトに取り組んでいます。私が初めてボリビアに行ったのは2007年のこと。『アース・ソリューション』という、金鉱をサポートする団体から依頼を受けてのことだったわ。彼らが取り組んでいたコトパタ鉱山はアンデス山脈の麓にあって、鉱山に通じる道路もないような場所だった。鉱山労働者は採掘に使う機材を背負って運んでいたのよ。
鉱山でのフェアトレード・プロセスというのは有毒なシアン化物の使用をやめ、採掘に必要な水銀を川に流す代わりにリサイクルするということを意味するの。鉱山労働者の安全・健康、地域社会の自然環境......様々な課題をクリアして2011年にようやく、フェアトレード認証を受けることができたんです。
現在、私のコレクションに欠かせないのが、この鉱山で働いていたアイマラ族のハビエル。彼は素晴らしい金細工職人で、先コロンブス期のアートワークやユンガス地方の花、蔦性植物にインスパイアされたゴールドジュエリーを生み出しているのよ」

一方、ケニヤではメイド社とコラボレートしてナイロビのスラム街をサポートする活動を行っている。その関わりは8年前に遡る。
「当時、メイド社の拠点はナイロビにあるアフリカ最大のスラム街、キベラスラムにあったわ。貧しくて荒れ果てていて、暴力沙汰もしばしば。住むのに適した場所ではなかったの。このプロジェクトのディレクターは、キベラに住む人々が持つ彫刻やはんだ付け、リサイクルのテクニックをファッションに応用できないかと考えたの。それでスラムの住民に、くず鉄からリサイクルされたメタルや動物の角、骨などを使ってジュエリー作りを教えたのよ」
ピパはスラムで行われていた泥だらけの小さなワークショップが、スラムの外の安全な環境で開催されるジュエリー教室にまで発展するさまに感銘を覚えたという。この経験がメイド社のためのジュエリーコレクションとして実現。その収益で子どもたちの教育や健康保険、公正な選挙を守るための取組みなどを援助している。
「ここで出会ったのが木工職人のアマン。ケニヤのルア出身で、兄弟や家族とともにキベラのほったて小屋に住み、自分で削った木のスプーンをナイロビのマーケットで売って生計を稼いでいたの。その後、アマンは職人を育てるメイド社のワークショプ・マネージャーになったわ。この仕事のおかげでアマンはスラムを抜け出し、自家菜園つきの小さな家に移り住むことができたのよ。現在は6人の子供を育てながら、自治体から助成金を得て自分のビジネスを始めているわ」

ジュエリー制作が人々に仕事や収入の機会をもたらし、消えゆく伝統を守り、世界中の職人たちの生活や命さえも守ることができると信じている、と語るピパ。
「何世紀もの間、宝石職人は業界で搾取される存在だったけれど、それを逆にすることだってできるはず」
美しいジュエリーを身につけるたび、そんなデザイナーの物語に思い馳せてみたい。

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